火鉢をお持ちなら、是非一度はお使いいただきたい炭です。
椚(くぬぎ)炭は楢(なら)炭よりも たたずまい、香り、静かな燃え方など
全てにおいて勝る炭です。
茶道で使われる炭とはよく言われることですが、
さすがに茶道用のくぬぎ炭は高価です。
また長さも一寸五分(4.5cm)〜5寸(15.2cm)まで 細かく決められています。
火鉢用のくぬぎ炭は茶道用の炭になれなかった、あるいは元々なるつもりが無かった炭達です。 それでも長さは風炉用丸ぎっちょなどと同じ二寸(6.1cm)に切りそろえられています。
(2級とぎっちょ不揃い君除く)
【火の燃える情景】
くぬぎ炭はしずかにパチパチ言いながら燃えてゆきます。 お茶で使う炭は水であらかじめ洗いまして、炭の粉を取り除きますので、パチパチは言いません。 しかしこの音は、くぬぎ炭ゆえのもので、綺麗な皮が、これまた綺麗な白い灰にしずかに変わっていきます。 そしてほのかな炭の香りが漂い、静かな時が流れてゆく様を実感します。炭のたたずまい、火のあかり、それらは初めて使った時から、心に染みるものがあります。 また火のついた炭から、新しい炭へ火を移らせる。 近すぎても、遠すぎてもいけない。このあたりは扱いやすくも、奥の深いくぬぎ炭ならではと言えます。炭いじりが趣味。そういえるようになれば、ちょっとしたものかもしれません。
【茶の湯の炭について】
茶道用の炭を『道具炭』と言います。道具炭は春からの風炉用と、秋からの炉用とに別れます。 風炉の始まりは5月。
炉の始まりは11月。 それぞれ一年で最もくぬぎ炭が使われる月です。
お茶用の炭はすべて役割と、それにあった長さ、そして名前が決まっています。
よく出てくる物に、丸ぎっちょというものがあります。
ぎっちょとは、毬打と書きます。これは5月から始まる風炉の季節で使われる炭の、2寸の長さにつけられた名前です。丸いまりを打つと書いて丸毬打(まるぎっちょ)。 毬で遊ぶ様、遊ぶ=楽しい そんな表意が含まれているようです。
炭の窯で焼かれる炭は一回に300kg。 その中でも、真ん中の方にたてられたくぬぎ炭の、1本(長さ72cm)のうちのさらに真ん中のみが『道具炭』となります。
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