桐の火鉢
桐と、紫檀の手あぶり火鉢。
煎茶道具として使われていたと様子。
程度は中の中。見た目は少々使われた感がありますが、造りは実に見事なもの。
桐は耐熱温度432度。比較的柔らかいので加工は楽ですが、扱い難しい。桐たんす職人がそうであるように、表面を完全に平にすることも、よしんば曲線をつけることは更に難しい。
まさに松下幸之助は最初の勤務先の火鉢屋で、桐の火鉢の表面をひたすら削って手がアレまくって悲鳴をあげていたと記述されています。「天馬の歌」より
最も固い材質の紫檀と、柔らかく扱いにくい桐でできた手あぶり火鉢。およそ煎茶で使われていたことがうかがい知れます。銅板の炉はかなり錆びている。しかし、これ以上侵食することは無く、生涯安心してお使いいただけます。
表面に虫喰の穴あり。これは制作当時に出来たもの。虫喰は茶道具では「侘び寂び」(わびさび)として意図的に付けられる。
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