これが擬宝珠です。
ベースは真鍮流しくるみ火箸
江戸時代より前から伝わる鉄器の塗料の話
こうした黒い色の鉄器は、黒い塗料を塗ってあります。
ただし天然塗料です。
真鍮流しの火箸などは、真鍮を流した後、”おはぐろ塗り”という天然塗料を塗ります。
漆に鉄粉を混ぜたものです。この”おはぐろ塗り”で色が黒くなります。
人工の塗料ではないので、いわゆる真っ黒とは違います。
鉄瓶の着色も同じで、最初に壺に水を張り、鉄片を入れます。
1年もすると赤水が出来ます。これを「鉄しょう液」と言います。
この「鉄しょう液」が赤みを出します。
この「鉄しょう液」に生漆をまぜたものが、赤茶色の塗料となります。
赤茶色の鉄瓶などはこの鉄しょう液が塗られています。
一方黒い鉄瓶などは、この「鉄しょう液」に緑茶を入れたものをつかいます。
緑茶を沸騰させて、そのお茶の液を鉄しょう液に混ぜると、
緑茶のタンニンが反応して黒くなります。
これがいわゆる鉄瓶の黒、こうした鉄器の黒になります。
鉄瓶でも、真っ黒なものは人工塗料です。
盛岡の鉄瓶で、4〜5万円以上のものになるとこの天然塗料が塗られています。