手あぶり火鉢-第311弾
状態は中の上
炉は上が銅で下が鉄。下の鉄部分が錆びていますが、かなりの頑強さなので、全く問題ありません。
火鉢本体にガタツキはまったくございません。杉は柔らかめの木材なので、経年の小さな傷は普通に沢山あります。太陽光を当てて撮影していますので、画像を拡大していただくと、細かいものもまですべてわかります。
それ以上に、庄内の火鉢としてこじんまり、可愛く、そして黒花器の杢目が素晴らしい火鉢です。
明治後期〜大正時代
概ね大正時代のものかなと思います。昭和と言いたいところですが、木材が厚すぎます。欅ではないので、ありえなくもないですが、でもやはり昭和の火鉢は作り方が異なります。
杉材なので軽くて加工しやすいです。黒柿はかなり立派で、この部分だけ見ると明治後期な感じも出ています。とっても同じく黒柿です。これが明治時代の前記になると、底の厚みが熱くなってきて、杢目もこうした柾目のスタイリッシュな感じよりももっと無骨になります。
時代の最初は何でも厚くなり、後期になると薄くなるのは面白いです。江戸時代のそば猪口なども完全にその流れです。
小ぶりな火鉢を並べてみました
小ぶりな火鉢、第313弾と並べてみました。明らかに厚みが異なるのが、おわかりいただけるかと思います。また、黒柿の杢目、孔雀杢ですが、昭和ではこうした木材は使わなくなります。理由は加工も難しいですが、希少でさらに高価になるからです。

小ぶりなれど鉄瓶もOK
小ぶりですが、鉄瓶は十分のせてお湯をわかすことが出来ます。お隣の火鉢より高さがありますが、実は縦横は同じサイズの22.5cm〜23cmです。
こうみえても、どちらも鉄瓶を載せてお湯をわかすことも出来ます。炭は150g程度。椚なら3〜4本。
これで2時間ほど燃えています。3kgのくぬぎ炭ならば、1.5kgで20時間。3kgで40時間分というのが、目安になりますが、実際はどんどん追加して燃やしていくので、3kgだと賞味30時間〜35時間分の炭ということになります。