サイズ
縦横 29cm 九寸五分
高さ26cm
特徴
完全な玄人向け
完全に、好き嫌いの別れる火鉢です。
初めて手になさる火鉢でございません。
火鉢の杢目数あれど、虫喰にまさるワビサビなし。と言ったところでしょうか。わざと極限まで、虫喰を作りました。故意に虫に木を食べさせて虫喰を作ります。そしてこれでもかと言うほど虫に喰わせた後、一気に虫さんには退散願います。その時、なんの液体を使うのは判りませんが、今と違いますので自然のものを使います。
が、手にした直後は、鼻を近づけるとまだその匂いがしました。
虫が喰った木材は、毎日是日々、木くずが出ます。もちろんこちらは木くずの1つも出ません。石油系の、もしくは何かを発行させた液体で全ての虫を処理します。そのためこの火鉢を手にした直後は、まだ石油のような匂いがしました。時間がたてば消えるのですが、一、二度、火鉢に炭を入れて燃やすと、匂いは飛んでいきます。その処理もこちらで行いました。なのでほとんど匂いはいたしません。そして虫は1匹も降りませんのでご安心ください。
作られた時代は大正時代頃だと思われます。もちろんつくったのは明治育ちの指物師。岩手の山中の炭焼き職人の家に眠っていたものです。昔こうした手法で、虫にわざと食わせるとう言うのは、西洋の有名な額縁職人にもいたそうだという話を聞いたことがあります。
虫喰のワビサビの良さは、実はヨーロッパの画家や、骨董品好きの間でも昔からいっぱんてきでした。ただこうした虫による装飾を施した火鉢を見たのはもちろん初めてです。私は見た瞬間惚れ込みました。高値で出したかったのですが、なぜならそれだけの価値があるからですが、今回は平成30年の元旦火鉢、2018年ということで、20,180円にいたしました。
底板まで虫に喰わせた板を使ってあります。まるでチーズみたいでした!! そしてわずかながら、固すぎる部分なのでしょうか。虫に食われていない箇所がところどころ散見します。これ、わかっててやったのでしょうか。当時の職人に聞いてみたいものです。
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