「供出」でブリキだけになった手あぶり火鉢
Point
戦争中、武器のための金属を国に提供したことを「供出」と言います。
今回はその「供出の時代」を感じさせる火鉢です。
戦争で上半分にブリキ板あるだけの火鉢
ごくたまに銅板の無い火鉢があります。
今まで自分は2回だけ見ました。
下の写真のような火鉢です。

最初は「銅板をつくらなかったのかな。」とか、「この上に銅板のろを入れているのか」と思っていました。
ところが最近、国営メディアの方からの資料依頼の折り、これが第二次大戦中の供出で銅板が無くなった状態であることがわかりました。
むか〜し、明治後期につくられた手あぶり火鉢で、やはり上半分にブリキがあるだけの火鉢がありました。その火鉢の木目があまりに素晴らしく数年使用していたことがあります。
だから上半分にしかブリキ板がなくても火鉢としてガンガンに炭を燃やしても安全です!
造られた時代
ニレの木ではありますが板の厚みと組み方から明治の後期か、恐らく大正時代。大正時代に造られたものだと思います。第二次大戦開戦時にはすでに使われていたと推測します。
木材と状態
木はケヤキにみえますがニレの木だと思います。
ニレとケヤキは木目では区別が付きにくいです。ケヤキもニレ科の木です。
ただニレの木かなとおもうのはもう触った感触です。
ニレの木はケヤキより少し柔らかくて加工しやすい木材です。
状態は綺麗ですが、一箇所下のところに焦げた部分があります。
使用には全く問題有りません。
あとはニスが塗ってあるようです。
造られたのは戦争より前の戦前。
大正時代かもしれません。
火鉢の表面がなんとなく古く感じたのでニスを塗ったようです。
普通に蜜蝋かクルミ、せめて植物油で磨けばよかったのですが。
底板は修正済みです
底板はあったのですが隙間だらけでした。
銅板を供出で提供してそのままだったのでしょう。
火鉢は内側も全て綺麗にし、元あった板をはめてあります。
その上から新しく用意した底板を重ねて貼り付けました。
更にその上から隙間隠しで中央に板を貼り付けてあります。
火鉢の中は灰を入れると見えない部分。
念の為アルミテープで隙間を埋めてお渡し致しますが、灰を入れれば見えません。
そして灰は絶対に漏れてきません。

サイズ
30cm x 30cm x 高さ24cm
内側 24cm x 24cm 深さ約19cm
灰は14cmまで入れます。
24cm x 24cm x 14cm = 約8000 立法センチ
灰1kg 1400立法センチなので
灰は6kg必要です。
必要量の灰と五徳と火箸、灰ならしのセットもご用意しました。
メルマガにしか掲載されていない火鉢なのでこちらの火鉢も勢いでセール価格にしてしまいました。