幅89cmの特大関東火鉢
サイズ:幅89cm 奥行き51cm 高さ48cm
重さ:34kg
特徴
- サイズ
- ケヤキの木目
- 黒柿の杢目
- 嵩上げの台
- 引き出しの取っ手
- 猫いた部分の繊細な作り
- 痛みなし
最も一般的なサイズの関東火鉢は76cm
2尺がちょうど76cm
長火鉢はこの2尺に収めてつくります。火鉢はもともと幕府の許可制で作られていました。指物師の仕事で、木工作家とは異なります。浅草に、今でも江戸指物しがお一人いらっしゃいますが、長火鉢は1台300万円ほどいたします。おそらく当時も、それに近い金額だったと思われます。
江戸時代の話ですが、長火鉢ですら庶民は持つことなく(小さな長火鉢っぽいものはありましたが)、この2尺を超える長火鉢は、一般の武士でも持つことを許されないサイズでした。もちろん作れる指物師も限られます。それほどまでに、この2尺を超える火鉢というのは珍しいものなのでした。
第四十五弾のここがすごい!
歴史というオーラをまとう
長火鉢数あれど、これほどのものには滅多にお目にかかれません。ケヤキと黒柿の江戸長火鉢としてこれ以上の大きさは絶対に存在しないと断言できます。
たまたま偶然、今回、紫檀の長火鉢という90.5cmの大物もがございますが、どちらも例外。ケヤキで89cm超えはございません!
引き出しを閉めると空気圧で他があく!
これは、一番下の引き出しを閉めた時に、空気の圧力で飛び出てきた状態。つまり最低でも100年は前の関東火鉢が、一分の狂いなく最高の状態で保存されていた証です。
黒柿とケヤキを交合に使用していますが、通常の関東火鉢よりも黒柿の割合が大変多いです。引き出しの取っ手、引き出しと引き出しの間、下の台座と上の縁、そして炉縁。猫板には非常に細かい細工として黒柿を使ってあります。
杢目が引き出しと本体でつながっているのも、最高の指物の技故です。
孔雀杢の縁
過去最高クラスの長火鉢の1台にのみ存在した孔雀も。黒柿の中でも最も珍しい杢目の1つ。もう一つが虎杢ですが、その1つ、孔雀杢が縁に使われています。ページ下に、過去売れた長火鉢がありますが、孔雀杢がございます。
総黒柿の火鉢にもめったに存在しない孔雀杢です。
炉縁も黒柿。杢目がしっかり見えます。数多くの長火鉢をご覧頂いている方でしたらご存知かと思いますが、黒柿は火鉢の縁に使われるのが一般的です。ただし杢目が此処まではっきりしてはいません。
炉縁の内側の銅板とキレイな炉
そして炉縁の内側に銅版が! これはもう、持ち主の方が老婆心でおつけになったものです。まあ気持ちはわからなくないですが、よほど大切にしていたのですね。
個人的には焦げたとしてもまあそれそれなのですが、でもおかげさまで銅板の内側はキレイサッパリだと思います。このままお渡し致します。
炉。落としの銅板はキレイです。多少は緑青ございますが、100年ものでこれは非常に綺麗です。問題一切ございません。
黒柿のくも
黒柿の取っ手です。私には師匠が二人おります。丁稚奉公では無いので二人なのですが、それぞれに専門が異なります。その二人の骨董の師匠は、ふたりとも丁稚奉公から入りました。一人は15才から、もうひとりは鎌倉時代から代々骨董商です。
本来骨董商とは、丁稚から入るものだそうです。昔の話ですが。その二人の師匠だけはこの取っ手を雲と呼びます。くも 雲です。もくもくしているからとのこと。 関西火鉢の取っ手は雲でありません。手あぶり火鉢も雲ではありません。雲の取っ手は関東火鉢だけなのでした。
ケヤキ・黒柿・紫檀。三大固い木材です。
縮杢の猫板と黒柿の縁
ずばり。ここまで手の込んだ猫板はございません。断言できます。この細い縁。非常に手が込んでいます。江戸指物ししかつくらない関東火鉢。関西火鉢は関西の指物師が作ります。ここはしっかり棲み分けされていました。そのため、関東火鉢には独特のこだわりがあります。
関西火鉢おこだわり部分と大きく異なります。こうした細かく困難な作業を江戸の指物師はいたします。お見事!
杢目は縮杢です。樹齢400年以上のケヤキの、根本に近い部分にしかできない杢目で、木の上の部分の重さで杢目が縮れてくることからそう名付けられました。
江戸長火鉢の表
こちらが表です。お客人が座って目にする側だからです。引き出すのある方が裏です。鉄瓶の表は、蛇口が右を向きます。使用者にとっては蛇口は左を向くからです。
長火鉢の表面に、最も素晴らしい杢目を持ってきます。
如鱗杢(じょりんもく)
これが如鱗杢です。表面が顕著です。光のあたりぐらいで光るというか、3Dになるというか。過去に2台ございました。私は感動火鉢だけでも500以上見ていますが、如鱗杢はこれで3台目です。玉杢以上と言える杢目は如鱗杢だけです。
全面如鱗杢と縮杢と鱗杢
玉杢も見えますが、およそケヤキの物凄い杢目の全てが入っています。4面全て見事すぎる杢目で、説明のしようがないほど。細部の作りもすごいのですが、杢目のダイナミックさを全面に出したものすごい仕事。
これで幅89cm。
通所の大型長火鉢が二尺 76cmですから、なんと13cmも大きいのです。ギリギリ男性でしたら一人で運べますが、階段を持って上がるのは一人では無理です。
彫り物の取っ手
歴代トップ3の長火鉢が下に掲載されてございますが、どれも取っ手は金属です。もちろんその金属のとっても大好きなのですが、彫り物の取っ手には意味があるそうです。詳しくは私もわかりませんが、所有者の意向もしくは威光によるものだったそうです。
こちらの長火鉢はおよそ明治の後期のものだと思います。もちろん理由はその作りと、持ち主の方のうろ覚えの記憶からです。
この画像。クリックすると大きくなりますので是非見てください。引き出しの周りに細い黒柿をはめてあります。こんなものは見たことがないのです。実は。ケヤキの木目がつながり、さらに引き出しに玉杢があります。ありえないほどの凄さ。
お値段の話ははばかられますが
お値段の話、本当は書こうか迷いました。でも正直に申し上げます。こちらはもっと高くするつもりでしたし、今も本当は70万円でも売れるなと思います。わかる方見ればわかるからです。また、都内某所のある有名な骨董屋へいきますと、これよりずっと落ちるものが70万円で売られていることはよくあります。
もちろん土地柄もありますし、それは仕入れ値のこともありますし、悪いことではありません。私もせいぜい安くても45万円と思っていました。ですが、持ち主の方が安く譲ってくださったのです。
ホームページで、45万円と値段をつけたら、恐らく気分を害するかも? いえ、その方はインターネットはやりません。大丈夫です。
その大先輩ともいえる年齢の方は、ご商売で代々成功された方で、私にお仕事のアドバイスとして「利益は取りすぎるな」と言われました。
簡単に言うと、その言葉が響いているということです。
お値段で決めないでいただきたい最高の火鉢
この火鉢より高く売っているものはございます。でも、だからこの江戸長火鉢よりも良いとはまったくもって申すことは出来ません。
値段でお決めいただくには忍びないと申しますか、これ以上の関東火鉢は無いと申し上げさせていただきます。こちらをお手にされる方は、手放される際は是非私にご一報頂きたいと思います。
販売価格で買い取ることは出来ませんが、日本の歴史的価値のある長火鉢ですので、是非こちらで再度買い取らせていただきたいとすら、これを書きながら思っております。
お届けはクロネコヤマトの引越便でお届けです。 お道具、灰などは別途ご相談ください。ちなみに灰は15kgほど。
少々高価ですが、できれば貴重なくぬぎ灰15kg 24,000円をお買い求めください。3,000円お値引きいたします。
過去に売れた、トップクラスの長火鉢トップ3
台座付きの四十二弾 ご売約済
お値段280,000円
この台座付きの長火鉢は、関東火鉢もしくは江戸長火鉢と呼ばれるこのタイプだけです。関西火鉢にはございません。また江戸長火鉢といえども、まだ目にしたのはわずか二台のみでございます。
第四十二弾がこの台座つきでした。
象牙の釘に目が釘付けです。象牙の釘をつかった火鉢もめずらしく、4台しかなかったと思います。
過去に、第四十二弾に匹敵するな江戸長火鉢はこちら
長火鉢 第三十二弾 ご売約済
記録はあるのですが、今ちょっと見つからず曖昧で恐縮です。ただこちらは、持ち主の方が大変安く譲ってくださったので、このお値段に出来まして、杢目に対してものすごくお買い得だったのだけは覚えています。通常でしたら35万円といったところでしょうか。
杢目はやはり非常に素晴らしかったです。大きさは大きいですが、76cmほどでした。大型の長火鉢の標準的な大きさです。黒柿の孔雀杢は未だにまたとないほど見事でした。
あとは他に、500,000円前後のものと、72万円というものがございました。72万円の方はすぐに売れてしまったため、画像がなんと2枚しかのこっておりません。惜しいことをしました。
昨年45万円の総黒柿に象牙の火鉢は、幅は60cmと小ぶりでしたが別の意味ですごかったです。こちらは過去に売れた火鉢のリストの中にもございます。いずれ、長火鉢も過去にお売りさせていただいたものは、リスト化して皆さんにご覧いただけるように致します。
実は本日、手あぶり火鉢も245台分のページを削除しました。スマホが普及する前に作ったホームページは、Googleさんに「君それ間違ってる」と連絡がまいります。なので、今は過去の履歴は一部しかございません。またがんばります。
長火鉢 第三十八弾 ご売約済
>>総如鱗杢(そうじょりんもく)の江戸長火鉢 348,000円
こちらは昨年の夏にお売りさせていただきました。最初に25万円ほどの関西火鉢をお買い求めのお客様が、やはり見事な関東火鉢をお探しの所、ちょうどこちらが出てまいりました。
幅は80cmを超えるものでした。これは長火鉢の中では超大型になります。また、如鱗杢が恐ろしいほどでして、ケヤキの如鱗杢としては、資料にあるものよりも素晴らしく、こちらも博物館に収めたくなるほどでした。
弊店では長火鉢の数はもともと多くはございません。師匠から、これはというものだけを仕入れているからですが、正直なところ保管場所がないからなのです。
こちらも現物をご覧いただかずにお買い求めいただきました。もちろん気に入らない場合はすぐにご返品くださって結構でございます。
ですが有り難いことに、まだそういったことはこの14年間1度もございません。有難うございます。
あえてトップ3が入れ替わるとしたら、第四十二弾が4番目になります。