手あぶり火鉢-第312弾
上品なオーラ漂う
杢目はあまり強く出ていません。
杢目の流れが縦になるように組み合わせ、磨き込まれた黒柿が凛とした雰囲気を表現。表現を抑えつつ静かに魅せる。
手あぶり火鉢は必ず2つ1組でつくられてきました。ゆえに、全く同じスタイルのものが存在します。さらに、最低でも10組程度造り、それを一箇所に並べて使っていましたから、同型のものを見かけることはあるのですが。
こちらはシンプルながら、同じものを見たことがございませんので、大正時代に造られたものだと思います。欅の一枚板ですが、厚みはそれほど厚くなく、また大正〜昭和初期に主流となった組み合わせ方。
いずれにしても、スタイリッシュな趣の手あぶり火鉢です。洋間に置いて楽しみたい感じすらいたします。
木釘
底には木釘が使われています。木釘がつかわれていたあたりで、最終的に大正時代となります。それ以前はもちろん木釘ですが、明治時代の火鉢ですともう少し底に形状と、木材にもう少し厚みが出てまいります。
その底板の、縁に黒柿を使っています。