サイズ
縦横 29cm (九寸五分 くすんごぶ)
高さ 26cm
全面虫喰 黒柿の火鉢の説明動画です。
完全な玄人向け
完全に、好き嫌いの別れる火鉢です。
初めて手になさる火鉢でございません。
火鉢の杢目数あれど、虫喰にまさるワビサビなし。と言ったところでしょうか。わざと極限まで、虫喰を作りました。故意に虫に木を食べさせて虫喰を作ります。そしてこれでもかと言うほど虫に喰わせた後、一気に虫さんには退散願います。その時、なんの液体を使うのは判りませんが、今と違いますので自然のものを使います。
が、手にした直後は、鼻を近づけるとまだその匂いがしました。
虫が喰った木材は、毎日是日々、木くずが出ます。もちろんこちらは木くずの1つも出ません。石油系の、もしくは何かを発行させた液体で全ての虫を処理します。そのためこの火鉢を手にした直後は、まだ石油のような匂いがしました。時間がたてば消えるのですが、一、二度、火鉢に炭を入れて燃やすと、匂いは飛んでいきます。その処理もこちらで行いました。なのでほとんど匂いはいたしません。そして虫は1匹も降りませんのでご安心ください。
作られた時代は大正時代頃だと思われます。もちろんつくったのは明治育ちの指物師。岩手の山中の炭焼き職人の家に眠っていたものです。昔こうした手法で、虫にわざと食わせるとう言うのは、西洋の有名な額縁職人にもいたそうだという話を聞いたことがあります。
虫喰のワビサビの良さ。日本ゆえのものだと思っていました。ルノアール、モネなど、著明な絵画の額縁には、虫喰のあるものもあるそう。素晴らしい額縁の職人さん、有名な額縁職人さんも当然いるらしく、虫喰が特徴だったりするようです。虫喰の良さ、ワビサビへの理解は、何も日本人だけのものではないようです。
ということはこの全面虫喰の黒柿火鉢の良さ、ヨーロッパにも理解できる人が居るということなのかもしれませんね。

極限まで、虫に喰わせた板を使ってあります。まるでチーズみたい!! そしてわずかながら、虫に喰われていない部分があります。これは、虫も食えぬほどに固すぎる部分なのでしょうか?!
「この部分は虫、は喰わねぇ」
と言ったか判りませんが、判っていたのでしょうか。ナゾです。
