
しっかり火鉢として使われていました。
藁灰をいれて使っていた火鉢で、昭和の中頃までは普通に使われていました。藁灰は文字通りワラを燃やし造ります。かなりの量のワラを燃やしてもほんの少ししかできません。田んぼのある地域などワラを燃やさざる得ない地域で使われていた証です。
そうした背景を思い浮かべるのも、なんか楽しいです。
釉薬のあと
釉薬のたれたあとが、これまた道具として造られた感じを醸し出しています。木製の火鉢は京都や江戸などの都会でしか使われません。一般庶民は陶器の火鉢をつかいます。 つまり民芸です。 鉄瓶でも、盛岡の鉄瓶と、南の水沢の鉄瓶は作り方が全く異なります。同じ鉄瓶なのにです。
生活の道具は、いちいち時間をかけて作っていられません。繊細さは無いですが、生活の道具としての暖かさと、アジがあります。まさにこの釉薬のタレなどはその代表。民芸品としてのアジがおもいっきり出ています。

夏火鉢のススメ: 京都では夏、火鉢は香をたくものとして使われます。これを夏火鉢と言います。是非、沈香をくゆらせてこの暑い夏を風流に乗り切ってください。