盛岡の虎山(こざん)工房 山田さんの作品 第二弾
山田丸 凛とした筋目の鉄瓶
虎山工房の山田職人がつくる山田丸
前回は松葉でしたが今回は筋目。
糸を型に置いて筋を造ります。
その鋳型に、古墳時代には日本に入ってきたと言われる「たたら製鉄」で作られた岩鉄(がんてつ)を流し込んで造ります。
和銑と洋銑
鉄瓶の鉄には和銑(わずく)と洋銑(ようづく)があります。
多くの廉価版の鉄瓶は洋銑(ようづく)です。
加工はしやすいのですが錆びやすいので塗料で錆止めをします。
和銑は炭と鉄を混ぜて溶かします。
錆びにくく、強靭なのが特徴。
硬すぎるので逆に江戸時代には日本の大砲は硬すぎて強力な砲弾を撃つことができませんでした。
和銑で鉄瓶をつくると最高の鉄瓶が出来上がります。
密かな特徴
砂鉄でもないのに高い音がなります。
たたら製鉄でつくられた鉄瓶ゆえの特徴です。
多くはもらい湯という鉄工所の電気溶鉱炉の鉄を購入してきて造ります。
たたら製鉄は炭と鉄の原料をミルフィーユみたいに重ねて溶かしていきますから数は作れませんし材料作りがとにかく大変な作業です。
このたたら製鉄でできあがった和銑で作る鉄瓶は、ゆえに五万円以上になります。
有名工房では八万円の値段がついています。
あまり安くしてしまうのも逆に技の安売りになるので望ましくはないのでしょうが山田さんのつけたお値段のままに致しました。
「山田丸|凛とした鉄瓶」
虎山工房の若手一級の職人が丹念に作り上げた
デザイン性の高いモダンな鉄瓶「山田丸 筋目」
若い職人「山田」は写真を取られるのが物凄く好きでは有りません。
工房の社長がこっそり撮影した写真を1枚送ってもらいました。ページの最後の方で山田の写真を添附致します。完全内緒です。(笑
鉄瓶の製造データ保証
すべての情報を開示し保証いたします。

虎山工房3つの特徴
盛岡にある鉄瓶工房です。
1.今や3つくらいしか無い古い「るつぼ溶解」を行っている鉄瓶工房です。
2.「カナキ止め」という最終処理を行っています。
3.伝統工芸士を複数抱える伝統ある工房です。
番頭の三浦は、先代の親方には大変お世話になりました。
親方のおかげで鉄瓶の販売を続けさせてもらっています。
本当に感謝しております。
有難うございます。
鉄瓶修理の鋳掛屋「綱取」のいる工房でもあります。
弊店でおこなっている鉄瓶の修理はこの虎山工房にいる綱取職人が行っております。
未だに工房で鉄を溶かしている盛岡でも3箇所くらいしかのこっていない古めかしい鉄瓶工房です。
この丸い鉄瓶をつくった山田職人はこの虎山工房に所属する職人さんです。
山田丸は表面に松の葉模様があります。
山田丸の松葉といったところでしょうか。
サイズ:1.6L
まもなくお値段あがってしまいますが(数千円だけだとは思います)
今回は初回の販売ということで送料込みでこのお値段にいたしました。
鉄を溶かす方法は2つ
① 大きな電気式のキューポラという釜でトン単位で溶かす方法。
大手企業がこの溶解を行い、工房は溶けた鉄を購入します。
これを「もらい湯」と言います。
9割型はこの「もらい湯」で鉄瓶を作ります。
とっても合理的な方法でなおかつ均一な鉄を使えるメリットがあります。
恐らくデメリットは無いはずです。
古式(こしき)と呼ばれる鉄の溶解方法「たたら製鉄」があります。
良く言えば昔ながらですが、手間ばかりかかる方法です。
ルツボという壺のようなもので鉄を溶かすのでルツボ溶解と言われます。
たたら製鉄と呼ばれる製鉄法はこのルツボという煙突のようなものに鉄と炭を入れて溶かします。
高温にするために、フイゴ という道具を使います。
このフイゴをたたらと呼びますが語源は不明とのことでした。
インドで発明された製鉄法なのでタータラというヒンズー語から来ているという話もあるようです。