過去最大の江戸長火鉢
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長火鉢としての大きさ
指物 江戸長火鉢の最大級 幅90cm
引き出し板厚2cm〜2.2cm
炉縁板 厚み3cm!
銅壺付き
くぬぎ灰あり +20,000円
(低価 33,000円)
総欅一枚板 樹齢300年〜
欅の一枚板。
全体が縮杢(ちぢれもく)
玉杢、如鱗杢
炉縁、取っ手(雲)黒柿
黒柿部分は孔雀杢
狂い無し、反り無し
板が大きくなれば反り、狂いのリスクが高くなります。そこは指物師の腕と木材乾燥が完璧だった証拠です。
湯こぼしと一段目の引き出し
「表面の湯こぼし」でマイナス5万円
一段目の引き出し 液垂れ跡(内部)
全体の評価
過去に匹敵する長火鉢が当店に入りました。
これについてはページ最後に参考までに掲載させていただきます。
このクラスの長火鉢が10年出てこなかった中での出会い
同業者や骨董屋仲間も多いのですが、このクラスの品が出ることはほとんどありません。当店よりも火鉢を多く集めている同業者が、過去に2〜3台の素晴らしい品を所有していましたが、それも10年以上前の話でした。
骨董の師匠は山形の人ですがそれでも2000年代に3台ほど譲ってもらっただけでした。2010年以降、最高クラスの長火鉢は全く出てこなくなったため、完全に諦めていました。
今回は全くの偶然でしたが、西荻窪の方から鉄瓶の修理依頼を受け、そのお宅に伺った際にこの火鉢を発見しました。祖父様の所有だったそうで、奥様が大きさを理由に買い取りを希望されたため、引き取らせていただきました。
反りや痛みはないのですが、唯一残念なのは表面、引き出しのない側面に鉄瓶のお湯をこぼした跡があることです。この部分で5万円を値引きさせていただきました。理由は未だ不明ですが、骨董の木材にお湯がかかると、どうしても跡が消えません。石油系の塗料やクリア塗装で全面を塗り直せば跡は消えますが、そうすると現在の量産型家具と同じ表面になってしまうため、避けています。
一般的な長火鉢との大きさの違い
一般的な大きさの長火鉢と比較してみました。
比較対象の江戸長火鉢は最も一般的な大きさです。
幅78cm 高さ37cm です。こうしてみると小ぶりな長火鉢と並べているように見えますがまったくそんな事は無く、江戸長火鉢といえばこの大きさです。
80cmを超えると大型になります。
そのためこの 幅90cm というのは過去最高の大きさになります。
高さは 45cm
画像ですと特に小ぶりな長火鉢との比較に見えますが実は78cmは大型の部類になります。80cmを超えるものはそれ以上ということで、そもそも一般的ではありませんでした。
取っ手は雲
長火鉢でも江戸長火鉢の取っ手のみ、モクモクしています。関西火鉢には決して無いのが面白いです。
この取っ手を雲と呼びます。モクモクしている雲のようだからというのが通説ですが江戸時代からのことなので誰も真実はわかりません。
猫板は実際に家中で最も暖かい場所なので猫が寝る場所だったということでテーブル上の部分を猫板と呼んでいます。 猫板の板も猫板と呼びまして特に細かい区別はされていません。
この板を湯呑みを乗せるテーブルの代わりとし、猫いた部分の反対側に乗せて客人と酒を酌み交わしたと言われています。
関西火鉢は当時から合理性の都市だったようで、火鉢もテーブル付きの形になります。師匠がよく強調しておりましたが明治期までは関西火鉢が関東にあることは絶対になかったそうです。
ケヤキの最も根本部分の杢目
木の板の杢目には3種類あります。板目、柾目(まさめ)、杢目(もくめ)の三種類です。杢目はケヤキの樹齢数百年の木の根本にのみ見られる木目です。
比較対象の江戸長火鉢の木目はいわゆる年輪です。これが板目という木の切り出し方による木目になります。同じ取り出し方をしても不規則で玉杢、縮杢、如鱗杢があるものが杢目となります。
90cm幅の総ケヤキと黒柿 孔雀杢の長火鉢
黒柿とケヤキが江戸長火鉢としては最高の組み合わせ。その黒柿は1000本に1本の割合で隅が入った柿の木。これは切らないと判明しません。今も黒柿専門の職人さんは日本の各地にいらっしゃいます。
その黒柿の中でももっとも希少なのが孔雀杢という杢目。こちらはそこまで派手な孔雀杢ではないですが、その孔雀杢の黒柿が使われています。
引き出しの厚みも最大級
引き出しも表面はケヤキの一枚板。引き出し部分は桐材。桐材はもともと乾燥させる木材ですが、炭火をつかう火鉢の引き出しは今のようにエアコンの無い時代は家の中でもっとも乾燥する場所でした。そのため海苔、タバコを入れる場所としても使われていました。
一段目 引き出しの内側に少しの汚れ
一段目の引き出しに少しの汚れというよりも、前の持ち主の方が自分で色付をしまして、それが上手くない、つまり下手で液が垂れてしまった。様に見えます。
引き出しはすべて見事にぴったりしていてガタガタスキマがあるなどはまったく無く見事です。画像は拡大されます。
今回、入念な汚れ落としと磨きが終わりましたのでご紹介させていただきました。一段目の引き出しの桐部分のみこれから別途磨いて参ります。液垂れも少し薄くなると思います。
引き出しを見れば指物師の腕がわかる!
引き出しの内側を見ると、ケヤキの張り合わせか一枚板かがわかります。もちろん炉を取り出して見れば確認ができますが、炉を取るのが難しい場合は引き出しの裏を見れば貼り合わせか、一枚板かがわかります。
引き出しの桐の厚みすらも過去最大でここまでの引き出しはこの20年見たことがありません。
銅壺が入った様子
こちらの最大の江戸長火鉢に入るように造ってもらった銅壺だそうです。余談ですがこちらの銅壺、2013年までは浅草に日本で最後の職人がおりました。現在も鍛金(たんきん)職人はそこそこいらっしゃいますが銅壺は造れないとのこと。
弊店のお客様が以前、引退前に最後の1つを造ってもらったとお喜びだったのを記憶しております。お値段38万円でした。
骨董の銅壺もいよいよ市場に出てこなくなりました。こちらは単品販売すると3万円前後だと思います。 五徳部分の下に炭を置き、鉄瓶を乗せます。
お燗をつける燗付きと呼ばれるフタ部分と、丸いツマミの部分にお湯を入れて柄杓ですくったりもします。
炉縁部分が孔雀杢の黒柿。
雲と呼ばれる取っ手は黒柿。
銅板の炉は銅のサビである緑青がありますが使用には全く問題御座いません。











