アンティーク京鉄瓶 貴重な袋弦と姥口の銅フタ。修理してお渡し。

無銘 京鉄瓶 砂鉄 唐銅姥口蓋 袋鉉 鳴り金付

修理してからのお渡しになります。

無銘の京鉄瓶です。

直径約17cm、高さ約21cm。

Used品で、正確な年代はわかりませんが、おそらく昭和中頃の作品だと思います。

作者はわかりません。

龍文堂でも亀文堂でもありません。

砂鉄ですが、中が砂鉄なりのサビがでているので修理前提です。

費用はすべて鉄瓶の修理費用。

もしこちらの京鉄瓶

 

でも、鉄瓶そのものを見ると、そこそこ良い鉄瓶です。

砂鉄の荒い肌、唐銅の蓋、袋鉉。そして中には鳴り金が付いています。

京鉄瓶らしい造りがいくつも残っています。

ただし、先に状態について書きます。

中はかなり錆びています。

このままでは使えませんので、ご注文後に修理へ出してからのお渡しになります。

修理費用38,000円込みです。

修理後はこちらでも実際に湯を沸かして慣らしを行い、水の状態を確認してからお渡しします。

砂鉄の鉄瓶です

まず本体は砂鉄です。

写真でもわかると思いますが、肌はかなり荒いです。

細かな霰のように均一に整えた鉄瓶ではなく、肩から胴、腰までぼこぼことした肌になっています。

胴の真ん中には一周する帯があり、そこに鋲のような丸い文様が並んでいます。

装飾そのものは非常に簡素です。

でも、この鉄瓶にはこれくらいでいい。

むしろ荒い砂鉄の肌が一番の景色になっています。

作家銘もないので、「誰が作ったから良い」という鉄瓶ではありません。

こういう鉄瓶は名前よりも、鉄そのものと造りを見たほうが面白いです。

唐銅の蓋が非常に良いです

そして、この鉄瓶で一番目につくのが蓋です。

唐銅製の蓋です。

状態も良く、古い銅らしい赤味がきれいに残っています。

摘みも面白い。

花の蕾のような透かしになっていて、その下も花弁のような座になっています。

黒い砂鉄の本体に、この唐銅の蓋。

色の組み合わせも非常に良いです。

京鉄瓶に銅蓋が使われること自体は珍しいことではありません。

京都の鉄瓶では昔から見られる造りです。

でも、この鉄瓶はさらに姥口になっています。

唐銅蓋で姥口というのは結構手間がかかります

普通の鉄瓶には、上から蓋を乗せる「乗せ蓋」があります。

乗せ蓋なら本体と蓋に多少の寸法差があっても、上から乗れば蓋として成立します。

ところが姥口は違います。

蓋が本体の口の内側へきっちり入らなければいけません。

鋳物は同じ型から作ったからといって、すべて全く同じ寸法になるわけではありません。

微妙に違います。

だから姥口の場合は、本体に合わせて蓋を削るなどして微調整します。

今なら機械で寸法を出せますが、昔は最後は人間の手です。

ヤスリを使って少しずつ合わせる。

この鉄瓶の唐銅蓋も、今でも本体へきちんと収まっています。

銅蓋そのものも良いですが、唐銅蓋を姥口できっちり合わせているところが、この鉄瓶の面白いところです。

鉉は鍛冶屋が作った袋鉉

鉉も見てください。

袋鉉です。

袋鉉というのは、単純な鉄棒を曲げただけの鉉ではありません。

鉄を鍛えて袋状にして、中を空洞にして作ります。

つまりこれは鋳物屋の仕事ではなく、鍛冶屋の仕事です。

昔の鉄瓶は、本体を作る人、蓋を作る人、鉉を作る人と、それぞれ違う職人の仕事が一つの道具になっているものがあります。

この袋鉉は、昔存在した富山の鍛冶屋のものと聞いています。

工房名まではわかりません。

写真を見ると結構細身です。

胴はどっしり丸いのに、鉉は上へすっと伸びています。

このバランスも悪くありません。

袋鉉は中が空洞なので熱も伝わりにくい。

ただ、それだけなら簡単ですが、作る方は簡単ではありません。

一本の鉄棒を曲げれば済むものを、わざわざ鍛冶屋が叩いて袋にしているわけです。

こういうところにも昔の鉄瓶の面白さがあります。

中に桜のような「鳴り金」があります

内部を見ると、底に桜の花のようなものが付いています。

これが鳴り金です。

最初に見ると、何のためにこんなものが底についているのかわからないと思います。

飾りではありません。

湯を沸かしたときの音を作るためのものです。

鉄瓶や茶釜で湯を沸かしていると、沸騰する少し前から音が変わってきます。

昔の人はこれを「松風」と呼びました。

松林を風が抜けていくような音です。

今の電気ケトルは沸いたらスイッチが切れます。

昔は湯が沸くまでの時間も道具の一部だったんでしょう。

湯が沸いてくる。

音が変わってくる。

火鉢の炭を見る。

鉄瓶から湯気が上がる。

便利ではないです。

でも鉄瓶を使う面白さは、こういうところにもあります。

鳴り金は古い京鉄瓶に見られる特徴の一つです。

銅蓋、袋鉉、鳴り金。

無銘ですが、この辺を見ると京鉄瓶としてちゃんと作られたものだということはわかります。

ただし中はかなり錆びています

ここは隠しても仕方がないので、写真の通りです。

かなり錆びています。

現状のまま水を入れて使うことはおすすめしません。

だから、この鉄瓶はこのまま発送しません。

ご注文をいただいてから、38,000円かけて修理します。

修理して、こちらで湯を沸かして慣らしを行い、実際に使える状態になったことを確認してからお渡しします。

もちろん古い鉄瓶です。

修理したから新品になるわけではありません。

むしろ外側は、このままでいいと思っています。

砂鉄の荒い肌も、唐銅蓋の色も、袋鉉も、古い鉄瓶として残ってきたものです。

必要なのは見た目を新品にすることではなく、もう一度ちゃんと湯を沸かせる道具に戻すことです。

無銘ですが、そこそこ良い京鉄瓶です

ものすごい名品というつもりはありません。

作者もわかりません。

おそらく昭和中頃。

でも、鉄瓶そのものを見れば、そこそこ良いです。

砂鉄。

唐銅の姥口蓋。

鍛冶屋の袋鉉。

鳴り金。

そして直径約17cm、高さ約21cm。

大きすぎず、実際に火鉢で使うにも扱いやすい大きさです。

有名作家の名前を集めている方には向きません。

逆に、名前はどうでもいいから、昔のちゃんとした鉄瓶を修理して実際に使いたいという方には面白いと思います。

現状は中が錆びていて使えない。

だから直す。

直したらまた湯を沸かす。

鉄瓶は本来そういう道具です。

せっかくここまで残ってきたので、修理して、また火鉢の上で使ってもらえればと思います。

¥38,000

在庫切れ

カテゴリー: タグ: