菊池政光作 虫喰五徳 七寸 Used 8,000円
菊地政光作 虫喰五徳 7寸 少しだけUsed
お客様からお譲りいただいた政光さんの五徳です。
ほんの数回しか使わなかったとのこと。
すでに政光さんは引退して現在は作っておりません。
新品時で4万円超えの七寸でしたので、破格のお値段です。
山形鋳物の釜師、菊地政光作の虫喰五徳です。
一般的な手焙火鉢にも入りますし、七寸ですが小ぶり1Lの鉄瓶も乗ります。
五寸五分の五徳と並べた感じはこんな感じ。
直径約21cm(7寸)
七寸ですので直径は約21cm。
六寸より一回り大きく、長火鉢や大きめの火鉢に置いたときに実に景色のよい五徳です。
そして何より、この五徳はもう新しく作られるものではありません。
菊池政光さんはすでに他界されておりますので、現在残っているものは生前に作られたものだけになります。
京鉄瓶、京茶釜の茶道具師 菊池政光さんの作品。
山形鋳物の茶道具師、菊池政光さんの虫喰五徳。
政光さんの五徳の特徴は、なんといってもこの鉄肌です。
写真を見ていただくとわかりますが、表面をきれいに均一に仕上げた五徳ではありません。
ざらざらと荒れ、ところどころ深くえぐられ、まるで古い木が長い年月をかけて虫に喰われ、朽ちていく途中のような肌をしています。
これが「虫喰」です。
一般的な虫喰五徳にも筋や凹凸をつけたものはあります。
でも菊池政光さんの虫喰は違います。
規則的な模様ではなく、どこが深くなり、どこが残るかわからない。
自然に朽ちたものを見ているような不規則さがあります。
この虫喰の表情こそ、政光さんの五徳でした。
そして、この細かく深い造作を鉄の鋳物として形にできるところに、山形鋳物の技術がよく現れています。
七寸という大きさ
七寸は約21cm。
五徳としてはかなり存在感のある大きさです。
25〜30cm程度の普通の手あぶり火鉢なら五寸、六寸が使いやすいのですが、火鉢そのものが大きくなってくると七寸が実によく似合います。
特に長火鉢。
大きな灰の面に小さな五徳を置くと、どうしても五徳だけがぽつんと浮いて見えることがあります。
七寸になると灰の面にしっかり腰を据えます。
灰があって、その中に五徳があり、その中央に炭がある。
このバランスが落ち着きます。
火鉢は火を見る道具でもあります。
ですから五徳は、鉄瓶を支えられれば何でもいいわけではありません。
火鉢の中に置いたときの「灰景色」をつくる道具でもあります。
七寸の虫喰五徳は、その景色をつくる力があります。
炭をたっぷり置けるのも七寸の良さ
そして実用品として七寸がいいのは、やはり炭を置けること。
直径約21cmありますので、五徳の内側にかなり余裕があります。
くぬぎ炭を何本か組んでも窮屈になりませんし、火力が欲しければ備長炭を加えることもできます。
小さな五徳の場合、炭が増えてくると炭同士が近くなり、火の取り回しが必要になります。
七寸なら、ぼこっと置けます。
これが冬にはありがたい。
鉄瓶を掛けてお湯を沸かしながら、その下では炭がしっかり燃えている。
火鉢の暖かさというのは、エアコンやストーブとはまったく違います。
近くに座っていると、炭から来る熱がじわっと体に入ってきます。
真冬の雪の日に窓を少し開けて、外の冷たい空気や雪の音を感じながら、火鉢の前だけは暖かい。
そんな火鉢の楽しみ方には、大きな七寸五徳は実に似合います。
虫喰五徳 七寸
七寸という大きさは、茶の湯では炉用として使われてきたサイズでもあり、古い七寸五徳そのものは世の中にあります。
しかし、菊池政光さんの、この虫喰の七寸となると話は別です。
爪の一本一本を見てください。
ただ荒らしてあるのではなく、深いところ、浅いところ、ほとんど平らなところが混在しています。
それでも全体の形は崩れていません。
三本の爪が立ち上がり、上部が内側へ向き、重い鉄瓶や釜を受け止める。
道具としては非常に単純です。
単純だからこそ、鉄の肌と形の良し悪しがそのまま見えてしまいます。
火鉢に灰を入れ、この五徳を埋め、炭を置く。
新品の状態で棚に飾って見るより、むしろ火鉢の中に入れたときのほうが格好いい五徳です。
炭の黒。
灰の白。
そして虫喰の鉄。
そこへ鉄瓶を掛ける。
火鉢道具として、これ以上何が必要なのだろうと思わせてくれる五徳です。
山形鋳物について
山形鋳物は、およそ900年以上の歴史を持つ山形の伝統工芸です。
その特徴としてよく挙げられるのが、薄手で精緻な鋳造と美しい鋳肌です。
南部鉄器と同じ鉄鋳物ではありますが、山形には山形の鋳物の文化があります。
薄肉美麗が山形鋳物の特徴
山形鋳物では、細かな鋳物砂を用いて鋳型を作り、型挽き、肌打ちなどの技法を使いながら形を作っていきます。
そのため、鉄という荒々しい素材でありながら、細かな造形を鋳物として表現することができます。
菊池政光さんの虫喰五徳を見ると、その特徴がよくわかります。
つるつるにするための技術ではありません。
むしろ逆です。
これだけ複雑な「荒れ」を意図して鉄の表面に残す。
深い窪み、浅い窪み、筋、ざらつき。
それらが一つの爪の中に入り混じっています。
整ったものを作れる技術があるからこそ、意図して崩すことができる。
そこがこの五徳のおもしろさです。
菊池政光の虫喰
虫喰五徳は政光さん以外にもあります。
しかし、この写真のような、木が朽ちていく寸前のような深く不規則な鉄肌は、菊池政光さんの虫喰五徳を代表する作風でした。
何十年使っても、五徳は五徳です。
電気も使いません。
機械もありません。
壊れるような部品もありません。
灰の中に据えて、炭を置き、釜や鉄瓶を掛けるだけです。
それだけの道具だからこそ、良いものを一つ持っておけば長く使えます。
菊池政光さんが残した七寸の虫喰五徳。
ぜひ実際に灰の中へ据えて、炭火とともに末永くお使いください。
虫喰五徳 七寸
菊池政光 作
直径:約21cm
¥8,000
在庫切れ
























