こんにちは!
火鉢屋の三浦でございます。
いよいよ火鉢の季節がやってまいりました。
そこで、これから火鉢を使う方のためにも「火鉢の安全性」について書いてみたいと思います。
火鉢を使うに当たって一番心配になるのは当然「火」のことだと思います。
特に「火事」!
結論から申しますと、火鉢を使っていて火事になったというご報告は1件しかいただいておりません。
「火鉢で火事になったことがあるの!?」
と驚かれると思いますが、
実は1件ございました。
ボヤでしたが。
そして正確には、火鉢で火事になるわけではございません。
その点は、消防の方にも十分ご理解いただけたと思います。
結論から申しますと、
火鉢ではなく、炭の置き方を間違えると火事の可能性高くなります!
火事になりますと、消防局から必ず連絡が参ります。
火の元の原因を探り、同じ事故を繰り返さないためだと思います。
そして1件だけ、大阪消防局から電話があり、教えていただきました。
火鉢で火事になるわけではない
まず、火鉢があると火事になるわけではありません。
また、炭を燃やすと火事になるわけでもありません。
ではなぜ火鉢で火事になるか。
火鉢が火事を起こすことは無いです。
炭が火事の原因になります。
でも炭をただ燃やすだけでは絶対に火事になりません。
特殊な状況によって火事になります。
大阪のお客様の場合もまさにこれでした。
1.長火鉢を使っていた。
2.かなり勢いよく燃やしていた。
3.突然お出かけすることになった。
4.1時間もすれば帰ってくるのでと、普段まったく火鉢に炭を入れない奥様が、どういうわけかこの時だけ、真新しい紀州備長炭(当店では横綱君)を、燃える炭の真ん中に置いて外出した。
5.真ん中に置かれた紀州備長炭が爆発した。
6.紀州備長炭の爆発の勢いで、その周りで燃えていた”燃えたくぬぎ炭”を、火鉢の外に吹き飛ばした。
7.畳に落ちた、燃えたくぬぎ炭から発火し、畳と長火鉢の1/3を燃やしたか焦がした。
8.換気のために開けていたベランダのドアから煙がでているのを近所の人が発見! 119番した!
という流れでした。
この場合、かなりの偶然と意外性が重なったとでも申しましょうか。幸運にも長火鉢の一部と、火鉢付近の畳を燃やしてしまっただけだったそうです。
燃えたぎる炭の中に、冷えた紀州・土佐備長炭を入れる。しかもぶっといのを入れると、マアマアの確率で爆発します。爆発した紀州備長炭が、となりで燃えている炭を、火鉢の外へふっとばす。床や畳に落ちた、燃えた炭が発火を促す。この流れで火事になります!
私も一度火事になりかけました。
念の為お断りですが、あくまで実験でした。
手あぶり火鉢で、全く同じことを敢えてよくやります。
なぜなら、燃える炭の真ん中に突然おいても爆発しない紀州備長炭も稀にあるからです。
なので今でもやります。
また、ある程度炭を温めておくと、爆発しません。
それがどの程度なのか感覚的に知りたくてやる場合もあります。
その日つかっていた備長炭は、少将湿気を吸っていたようで良く爆発しました。
一度目は、備長炭自体が破裂して、破片が天井に刺さりました。
さらに、少しおいた何度めかで、真ん中に置いたぶっとい備長炭が爆発しました。
外側の燃えるくぬぎ炭をふっとばしました。
でも、火鉢の裏に落ちた炭に気が付かなかったようで、しばらくしたら床が燃えて煙がでていたので、慌てて拾いました。
もちろん素手じゃないですよ。
一酸化炭素の危険性は!?
紀州・土佐備長炭も、くぬぎ炭、火鉢用に焼いたナラ炭も、一酸化炭素の量はレンタンにくらべたら圧倒的に少ないです。
備長炭という名前はついていても、燃焼温度200〜300度以下でやいたものは、レンタンと変わりないかもしれません。備長炭というのは、もともと1200度で燃やせる炭、主に紀州の備長炭にだけつけていた名称ですが、江戸時代とかの話ですので、厚生労働省とか消費者庁が定義を設けているわけではありません。なので今はなんにでも備長炭と名前がついています。
一酸化炭素は、炭が生焼け、つまり真ん中コアの部分に炭化しきれていた部分が残っているものなどからも多く排出されます。火鉢用の焼いたものは、利休の二度焼きなどで完全に炭化させています。ゆえに、一酸化端で事故がおきる可能性は極めて低いです。
部屋を締め切って火鉢で炭を燃やしたら?
アウトですが、最も最悪の事態にはならないと思います。
お友達も締め切った部屋で火鉢を着けて寝てしまって、朝起きたら頭痛が酷かった。
と言っていましたが、締め切った部屋では酸素が薄くなって炭の火が消えてしまいます。そのため、最悪の事態になるだけの一酸化炭素がでるまえに、炭の火が消えてしまいます。ただこの部屋の大きさが、1畳しかない、2畳しかないとなると、どうかわかりませんが。
そこは実験しないで良いです。
普通に換気をしましょう。
以上、火鉢の安全性。特に火事について書いてみました。
元気に換気をして、楽しく火鉢のある暮らしを楽しみましょう!