【鉄瓶について最も詳しい】 「失敗しない鉄瓶の使い方〜選び方」

まるで鉄瓶の教科書

鉄瓶の教科書でわかること

  1. 鉄瓶の種類と違い
  2. 鉄瓶の選び方
  3. 鉄瓶のメンテナンス方法
鉄瓶と火鉢

鉄瓶の教科書とは?

新しい鉄瓶、古い鉄瓶、どちらも網羅して鉄瓶のことがわかるようにしました。

火鉢と炭と鉄瓶のお店の番頭 三浦

最初に

鉄瓶とは?

鉄瓶は、鉄製のヤカンです。

鉄瓶の前に茶釜が存在しました。
その茶釜に蛇口を付けたヒトがいました。
それが鉄瓶の始まりです。

鉄瓶を発明したヒト

江戸時代中期の盛岡で小泉仁左衛門さんが茶釜に蛇口を付けたと言われています。「鉄瓶」という名称は江戸時代後期に名付けられました。

盛岡藩のお殿様が「南部氏」で”南部鉄瓶”

南部藩主のお抱え釜師がつくる鉄瓶を「南部鉄瓶」と呼ぶようになります。これが「南部鉄瓶」の言葉の語源です。

南部藩ができたのが1600年頃。
この時点ですでに南部家は第26代ですから相当昔からこの土地にいらしたことになります。

南部鉄瓶は南部氏の所領で作る鉄瓶のこと

南部鉄瓶の名称の意味を説明したイラスト

鉄瓶の産地は北と西

鉄瓶の産地は大きく分けて東北と関西にあります。

ついつい南って言いたくなりますが西の関西です。
ただ現在は関西に鉄瓶工房はほとんど残っていません。

その為どうしても

鉄瓶=東北

というイメージになってしまいますが元々は関西にもというか、関西とくに京都や関西地域で茶道の茶釜が造られていました。

でも現在では

北の東北 岩手・山形が最大の鉄瓶産地です。

北の盛岡、南の奥州市が二大拠点です。

 
実は盛岡と奥州市の間にある一関でも鉄瓶をつくっている職人さんが1人いらっしゃいます。
 

山形鋳物

 
山形県は山形鋳物として有名で現在でも20近い鋳物工房があり鉄瓶や急須を造っています。また江戸時代から交易盛んだった京都から依頼で茶釜、鉄瓶の本体部分を今も造っています。 現在唯一残る、虫喰五徳、さつま五徳をつくる職人さんも菊池政光さんといって山形の伝統工芸士です。
 

京鉄瓶(関西鉄瓶)の特徴

その山形で本体部分が造られる京鉄瓶と、関西の鋳物特有の蝋型(ろうがた)による鉄瓶が関西鉄瓶の特徴です。 フタは銅フタです。東北勢には見られない特徴がこの蝋型と銅フタです。
 
また象嵌といって金や銀を埋め込む装飾も関西鉄瓶の特徴です。

銅フタは恐らく主に富山の高岡で造られていたと思われます。銅の街です。

関西の鉄瓶は「龍文堂」や「亀文堂」など名工の名前が今も残っています。

すでに途絶えて居ますが骨董の世界では京鉄瓶はとにかく人気です。

鉄瓶の生産地

鉄瓶の産地の日本地図のイラスト

鉄瓶と急須の違いとは?

  急須 鉄瓶
何につかう? お茶を淹れる お湯を沸かす
鉄分はでますか? 出ない 出る
錆びますか? 錆びない 錆びる
火にかけられる?
取っ手は固定? 左右に倒れる 固定
内側の処理
ホーロー そのまんま or 炭焼き

 

1.鉄瓶とは?

鉄瓶とは?

2.鉄瓶と急須の違い

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3.失敗しない鉄瓶選び【健康被害を避けます】中国鉄瓶の見分け方

中国製の鉄瓶の見分け方と注意点についてまとめました。

鉄で作られていれば鉄瓶なので問題はないのですが、人体に悪影響ありそうな耐熱塗料が内側に塗られているケースも見受けます。

またAmazonで注文して届いたら取っ手が取れていたケースも数件いただいております。販売元に連絡すると新しいものを送ってくれます。これは一般的にはあり得ないこと。 それだけ原価安く提供できている証でもあります。

それが悪いわけではありません。ただできるだけ安全で安心な鉄瓶をライフを送っていただくために今回、中国製鉄瓶の見分け方について書いてみました。

またあくまで噂ですが、お隣本国では日本の工房の名前のついた鉄瓶も売られているそうです。虎山工房という名前のついた中国製もあるとか。

ただ現在は日本から持ち込むすべてのものに関税が100%かかります。こうした中国の国内事情を考えると仕方ないのかなと思います。ただ完全なる偽物ですし、その偽物の鉄瓶がホンモノの鉄瓶と同じであることはありません。

見分け方は簡単です。そのためホンモノとの見分け方を知っておくと鉄瓶の購入時に安心です。是非参考にしていただけると嬉しいです。

3−1.失敗しない鉄瓶選び【量産型とホンモノの見分け方】

ホンモノというと語弊ありますが、日本で売られている日本の鉄瓶にも量産型の鉄瓶はとても普及しています。もちろん量産型でもよいのですが、見分け方を知っておくことは大切です。

そうでないと高い鉄瓶は意味なく高く値付けしているともとれるからです。もちろんそんなことは決してなく、高いには高い理由が。安いには安い理由があります。その値段の違いにダイレクトに現れる作りの違いについて解説してみました。

量産型(工業製品と、手作りの2種類あり)と、職人技との違いを見分ける方法さえ知っているのと、知らないのとでは大きな違いがあります。

納得の上で鉄瓶をお選びいただけるように、できるだけ見分けポイントをわかりやすく書いたつもりです。鉄瓶ご購入前に是非ご一読いただけると嬉しいです。

鉄瓶の見分け方|ホンモノはどれ?「量産型 vs 職人の手作り」見分け方は簡単1箇所見ればわかります。

4.鉄瓶の値段の違いはどこから (鉄瓶の作り方には4種類ある)

鉄瓶には1万円台から10万円超え、20万円超えまで様々です。

私にも最初はさっぱりわかりませんでした。むしろ値付けは適当?詐欺?

とすら思いました。

今でも忘れません。
鈴木主善堂(盛岡)に電話して単刀直入に聞いたことすらあります。

「失礼ながら教えて下さい。なぜ鉄瓶が3万円もするのでしょうか?」と。

失礼のないようにお聞きしましたが内容は思いっきり失礼ですw.
今思い返すから「なんて失礼な質問だ〜」ってなりますが当時は本人は本当に疑問でした。

3万円の鉄瓶は正直申しまして完全に安い鉄瓶です。

ヒバチヤ的には「ホンモノの鉄瓶ですが民芸調の鉄瓶」です。

まずは値段の違いの説明の前に、鉄瓶の作り方には大きく分けて4つあります。

4つの鉄瓶の作り方について超簡単に解説いたします。

中国製の鉄瓶がまざっている価格たいので選ぶときは注意が必要です。一応中国製のことは忘れて日本の鉄瓶ということで解説します。

この価格帯の鉄瓶は主に民芸調の鉄瓶にカテゴライズされます。

民芸にたいして工芸品があります。
民芸品は生活の道具として作られたものを総評しています。鉄瓶だと主に岩手県の水沢、山形で作られています。なお昔は日本中で鉄瓶は作られていました。

民芸といえば柳宗理ですが、彼が好んだのは盛岡ではなく水沢の鉄瓶でした。鉄瓶の職人さんはこうした表現を嫌がりますが私はいち消費者でもありますので正直に書いてしまいます。

この価格帯の鉄瓶は工程がかなり省かれています。

  • カナキ止め 炭で焼く処理ですがカナキ止めはされていないものが殆んど。錆びやすいです。でも本来は毎日使うものとして作られていますから問題ありません。たま〜にしか使わなかったりするとけっこう錆びます。錆びると赤錆がボコボコしてきます。
  • 1つの鋳型から何個も造るので表面の模様は浅いかんじです。模様で楽しむものではありません。ただ現在は大量生産の工業製品だと妙にくっきりピカピカしたものもあります。ただ盛岡勢とくらべると雑感は否めません。
  • 塗料 お高い鉄瓶は漆を塗ってありますがこの価格帯は塗料です。
  • 取っ手 取っ手は鉄の棒を曲げたもの。ただこれとて難しいのですが、つるっとした取っ手です。なお、真鍮の金色の取っ手がついていたらほぼ間違いなく中国製です。

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