黒竹炭籠
黒竹(くろちく)は、竹の表面に虎の斑点のような模様ができる竹を言います。虎斑竹(とらふだけ)というのがその名称。虎斑竹は江戸時代より珍重されていました。
江戸時代に珍重されるものは、木材であれば紫檀(したん)や、黒檀(こくたん)などの色の黒い木材。竹も同じく、普通の間だけの青々しさと相反する、この黒い色の虎斑竹を非常に珍重していました。
文献には残っていませんが、火鉢同様、幕府の許可制のような専売制だったと思われます。
竹の工芸の竹職人、よしださんは、この虎竹を好んでつ使用します。その虎竹で弊店のオリジナルとなる炭籠を造っていただきました。
市松模様がお部屋の雰囲気を軽やかにするとすれば、こちらの黒竹炭籠は、空間に重厚さをもたらします。鉄器との相性も良いので、茶釜や鉄瓶を使った茶時ごとにはこちらのほうが場をひきしめます。

文机の上に載せています。通常の手あぶり火鉢より一回り小さいサイズで一日に使う炭の量は十分入れることができます。
底の四隅を補強&デザインにもなっている足があります。このディティールの美しさ。
持ち手の留め具は竹釘、籐を巻き付けて仕上げてあります。補強も兼ねた籐がポイントですね。
奥:黒竹炭籠、手前:市松炭籠
色味の違いをご覧下さい。底の大きさはどちらも一緒ですが、ゆるく外側に広がっているデザインと深さの違いで、黒竹炭籠は一回り大きく見えます。 内側の和紙と漆の仕上げはどちらも同じです。

一閑張(いっかんばり)
内張は和紙を張り、漆で仕上げています。編み上げた重なり部分など段差の生じるところも丁寧に張ってあります。

↑底のデザイン、ポイントを生かして美しくかつ丈夫に仕上げてあります。
黒竹炭籠
力強く編まれた黒竹の炭籠は、長火鉢や囲炉裏にも似合う堂々とした風格で、生活に密着した道具と言えそうです。 炭をたっぷり用意して、一日中炭火のそばに居たい・・・そんな心境になります。
竹材は高知産の黒竹と虎竹。横目が虎竹です。漆に松煙を混ぜて仕上げています。黒く光沢を放っていて趣があります。
口が僅かに広がっていて、持ち手はそのラインからまっすぐに伸びているデザインです。持ち手上部のカーブが優しい感じをだしています。
二本の持ち手を上部で合わせた作りになっています。この大きさの籠にこの細さの持ち手、絶妙なバランスです。深さがありますので、たっぷり炭を入れることができます。
内側は和紙張りの漆仕上げになっていますが、堅い備長炭の鋭利な部分があたると小さな穴が空いてしまう可能性もあります。そのような場合は修理も承りますが、堅い炭をお入れの際は籠を振り回したり乱暴に扱うことはお控え下さい。

火鉢屋オリジナル炭籠
虎斑竹の黒竹炭籠 ¥59,000 (税込)
サイズ:底20cm×20cm 口23cm×23cm 深さ15cm
持ち手までの高さ29cm 持ち手上部の長さ28cm
※9月10日(平成30年)、出来上がりは年末になります。
※ご注文後の制作の為、納期は1〜3ヶ月ほど。
納期はご注文後、あらためてご連絡いたします。
※自然素材「竹」を使用しておりますので、色味やサイズなど微妙に違う場合もございますが、ご了承下さい。
※受注制作のお品のため、キャンセルは承られませんので、ご注意下さい。
1本の竹が作品になっていくまで
竹を真っ二つに割った後、どのようにして細くなっていくかの様子です。繊細の極み。稀に目にする江戸期の竹職人と同等の技をもちます。
虎の斑点のあるある竹を虎竹、または虎斑竹と言います。楽天に「竹虎」という老舗のオンライショップがございます。こちらでのみ扱っている竹です。どうしてこの様な竹ができるかよくわからないらしいのですが、カビの一種が模様となってつくのではないかと言われているそうです、 作業工程は、虎竹のみの炭籠のページにて。
作家プロフィール
吉田 佳道
1962 大阪生まれ
1988 大分県別府にて竹工芸を学ぶ
1993 長野県穂高にて独立
わたしの仕事は竹(黒竹 虎竹 真竹)を材料としています。
大地にしっかりと根を張りながら、その幹や枝、葉は
しなやかに風にゆれ光を通す、そんな竹の清さと用の美を備えたものを
作ることを心がけて竹にふれています。
籠は竹を割って ひごを作り 編み 漆を塗って仕上げています。
漆を塗ることにより,カビを防ぎ 編み地をかため、籠を丈夫にしています。




↑吉田さんの工房(長野県)での様子です。竹工芸専門の道具たちに囲まれて黙々と手を動かして
いらっしゃいます。下段右は乾燥中の出番を待つ黒竹。春になると産地から大量に届くそうです。
竹籤(たけひご)を取る作業が、籠を作る作業の半分以上を占めるとか。きっちり編まれた籠の美しさは竹籤の出来如何が決めているのかもしれません。