
炭取木箱の説明と、背景
最初に炭取木箱の説明をします。特に取っ手が取り外し式になっています。輸送時に壊れないようにだと思いますが、本当は完全に作家さんの趣味です。
最後に、この炭取木箱にまつわるお話を書き足しました。
取っ手が組み立て式
取っ手の付け方です。




一枚板ではないので、
写真のようにつなぎ目のあるところもあります。お許し下さい。先代の作家さん(というか仙人さん)の弟子と入ってもかなりの高齢。この、もっこりした丸みはすべてヤスリで削っています。木も無駄にしません。だから、どうしても一枚板だけではないのです。
木を大事にしています。ご理解の程よろしくお願い致します。
炭取木箱の話〜むかしむかしあるところに〜
炭取りの箱のことです。炭を入れておく入れ物です。もともとはお茶道具に炭斗(すみとり)という、竹で出来たものがあります。
箱から炭を直接とってもいいのですが、箱があると見栄えも収まりも良いというわけです。
この炭斗木箱。色々と経緯がありまして、商品よりもそちらが面白いと思うので書いてみます。つまりこれ、取っ手が湾曲していて、全体的に“ぽってり”していて愛嬌があるのです。でも、取っ手を削るということは、全く同じものが出来ないことにもなります。また手間もかかります。 実はもともとこの炭斗木箱を作っていたのは宮城県のどこかの山に篭ったきり、めったに里に降りてこない仙人みたいな人の作品でした。職人さんと言った方が聞こえは良いのですが、特に親方がいたという話も無いですし、修行した感じはまったくありません。ただ山に篭って太い木を切って、中を削ってお風呂をつくったり、不思議なものを作っている人でした。その人がなんとなくつくったものが、炭斗によかったのと、愛嬌があったので、いつの日からか扱うことになりました。そして今だから申しますが当時の仕入値は送料入れても5000円に満たないほど安かったのです。
その仙人のような方は、冬になると寒いのか里に降りてきて石油を売っていたそうです。奥様の話です。(奥さんがいたんです!)
でももう、昔の話なんです。それで、一回廃盤になりました。すごく人気だったのです。大と小がありました。
でも今また販売しています。理由は、その仙人みたいな方のお友達(お友達がいたんです!)が、「あいつの作ったのだったら俺も造れる」とかで作ってくれています。そういう理由で造れるものなのか不思議だったのですが、さすが仙人みたいな人のお友達だなと思いました。
ただこの方は普通の方なので、仙人みたいな人のように、自分で木を切ったりしません。木工屋さんから木材を仕入れたり、塗料も仕入れています。だから仕入値が上がりました。でもこの炭斗木箱を見ると、行方不明にもなったこともある仙人みたいな人のことを今も思い出して可笑しくなります。
それで、当時の販売価格にしてみようと思いました。6800円で税込みです。
6,800円はもう昔の話になってしまいました。今はギリギリセール価格になっている現在の価格が精一杯仕入れ値に近い価格です。2つだけご用意しました。
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