良い長火鉢の選び方3.大きさ編

火鉢屋のたばこ盆

長火鉢の選び方 その3

長火鉢を見分ける9つのポイントの3番目は、「長火鉢の大きさ」について。

ですが最後は、たばこ盆の話が続きますがご容赦ください。

 

長火鉢を見分ける9つのポイント

  1. 木材
  2. 木材の厚み
  3. 大きさ
  4. 木目
  5. 取っ手
  6. 引き出し
  7. 猫板
  8. 炉縁
  9. オトシ

 

 

大きな長火鉢は何センチから?

横幅が76cmを超えると大型の長火鉢と言えます。
明確な線引が存在するわけではありません。

完全に火鉢屋の番頭個人の意見です。

いままで数百台の長火鉢を見てきて、概ね平均値が76cmくらいだったというだけのことです。

長火鉢といえば70cmは超えています。
70cm以下のものもありますが、これは明らかに小さい部類の長火鉢です。

76cmを超えるもの、たとえば78cmになるととたんに数が少なくなります。
80cmを超えるものはめったに出会いません。

ということで、大型長火鉢は、76cm以上。

と、番頭の私は勝手に感じています。

 

今回は短いですが、

大型の長火鉢は76cm前後より大きなもの。

ということになります。

 

小さい長火鉢

幅76cm未満を小さい長火鉢とは、流石に申せません。

普通の長火鉢です。

では小さい長火鉢とはどのくらいでしょうか。

概ね50cm前後〜60cm台といった感じです。

でもたまに、もっと小さ長火鉢もあります。

手あぶり火鉢より小さい長火鉢!?

火鉢屋の参考画像 手あぶり火鉢とたばこ盆

でも、

 

これは小さい長火鉢ではありません

これはたばこ盆です。

もしかしたら他に呼び名があったのかもしれませんが、師匠もみんなこれをたばこ盆と呼んでいました。

 

たばこ盆は、もう少し他の形状物を言うのです。

たとえばこれ。

徴古館さんの参考資料から

佐賀県佐賀市にある、徴古館さんというミュージアムのサイトの資料からお借りしました。

公益財団法人鍋島報效会 徴古館 – 佐賀市

 

これは佐賀藩主どのがおつかいだったものだそうですので、私もこんな立派なものは見たこともございませんが、こうしたものを一般的にたばこ盆と申します。

 

 

またたばこ盆は、茶道のお茶席。お茶会に呼ばれた際の待合室のようなところに置かれているもので、小さな炭に火が入っています。

それでタバコ(キセル)に火をつけ、タバコを吸ってお茶会を待ちます。

 

つまりたばこ盆は、お茶会の席の待合室に置かれているもの。

と言えます。

 

ただこちらのような、小さな長火鉢と思わしきたばこ盆は、番台や帳簿の席に置かれて、手先を温めながら帳簿を書き、合間にタバコを楽しむ。

ために使われていました。

 

同じたばこ盆でも、外見も用途も異なりますね。

面白いです。

 

なのでこちらは、小さい長火鉢ではなくて、たばこ盆です。

しかも、お帳場に置かれていることの多いものです。

 

こんなものもございました。

これは以前、お売りさせていただいたものです。

右上の、竹の筒が、タバコの火を消すところ、だと思います。

その下の蓋のあるところが、タバコの葉の入れ物。

炭取木箱

ほかにもこちら。

豆サイズの関東火鉢と書いてありますが、たばこ盆です。あまり激しく突っ込まないでくださいね。

過去にお客様にお譲りしたたばこ盆

 

以上、長火鉢の大きさから、たばこ盆のはなしになってしまいましたが、おわりです。