こんにちは。
本日は、非常に珍しいカニの文様の鉄瓶をご紹介いたします。
お客様は過去にのべ6,000個以上の鉄瓶をご覧になり、すでに片手で程の数を所有されている方でした。
そのお客様が、6,000の鉄瓶の中に唯の1つもなかった非常に珍しいカニの文様に強烈に惹かれ、お手にされたものでした。
それがこちらです。
驚くほど深い虫喰。
そしてそこに、カニがいます。
まるでゴツゴツした岩にカニがへばりついているかのよう。
しかも、カニの腹には鉄瓶本体との間に隙間、空洞があります。
いったいあの、鉄瓶の型にたいしてどのような細工をしたのでしょうか。
溶接でないのは明らかです。鉄瓶は溶接はいたしません。鋳物です。

隙間。わかりますでしょうか。
左側に、カニと本体の間に隙間が。。。
これはすごい。
そして、実に深い姥口(うばくち)という口。
姥は、おばあさんが歯が抜け落ちて、下顎が出てきた様子を言います。昔ならではのネーミングセンスです。

カニ+龍文堂+もっこ弦
右の画像。弦(取っ手)です。もっこ弦と言います。もちろん中は空洞ですので、お湯が沸騰していても素手で持つことが出来ます。非常によく作られた鉄瓶でした。概ねそうした鉄瓶は小ぶりなのですが、こちらもギリギリ手のひらに乗るくらいの大きさ。1リットル入らないくらいの鉄瓶でした。
修理が終わってくるのが楽しみです。

