口の長い鉄瓶に見えますが酒器
鉄瓶の修理をお受けしておりますと珍しいもの、価値ある古い鉄瓶と出会うことも多くございます。 そんな中、こちらの鉄瓶は初めて修理ご依頼受けました。
鉄でつくられた瓶なので鉄瓶ですが酒器になります。明治のいつ頃までかは不明ですがこうした鉄の酒器が作られていました。 鋳掛屋の綱取さんも初めてみるこの酒器。フタは漆塗りで作られています。
フタはお客さまの元にございますので私は目にしたことございませんが表も裏も見事な螺鈿の漆フタだそうです。
古物市場でみた酒器は20万円の値段が付いていました
実は今年の後半から買取をはじめました。その流れでプロ中のプロ古物商たちが集まる市場へ行くようになりました。(まだ3回だけですが)
そこでこの酒器が登場しました。私はこの酒器の具体的な価値を知りませんでしたが20万円ほどでした。 う〜んちょっとびっくり!
というのが正直感想です。
鉄瓶コレクションしている盛岡の職人さんも、古い鉄瓶を見ればどこで作られたか、どの職人さんの作品かわかります。でも、その鉄瓶の具体的な金額的価値はわかりません。これは売買しているプロでないとわかりません。
だから私もまさかこの酒器が業者価格で20万円で取引されるとは思いませんでした。市場でみた酒器よりも明らかにこちらのほうが良くできています。
鉄の酒器の使われ方
お酒を入れる道具です。職人さんいわく「火にはかけないか温める程度でお湯を沸騰させる鉄瓶のような使い方はしていなかった」のだそうです。
お客さまにこちらの酒器について伺ったところご親戚のご先祖さまが岐阜県で呉服屋さんをやってらしたそうで。とある職人さんにつくってもらったものだとか。
どうりで。
盛岡の鉄瓶職人さん。酒器が好きで5つほどお持ちだそうですがどれもアラレ。今までみた酒器もアラレだったそうです。こうした紋様の入ったものは相当珍しいとのこと。お客さまの家紋ではないそうなのでなにか意味のある紋様なのでしょう。
というわけで是非、相当に珍しく価値ある酒器。
フタを拝見できないのが残念ですが御覧ください。
もし皆さんのご実家の倉庫の奥にこんなものがころがっていましたら、それは口の長い鉄瓶ですが酒器です。
ちなみにヤフオクで鉄瓶をよく見ていますが酒器はまだ見ていません。