火鉢ギャラリー第339弾|全面~香木の火鉢!! 骨董銘品

香木で作られた火鉢

全面本当に香木で出来た銘品 火鉢

兵庫県のお客さまの蔵にありました。

先月12月の3日に買い取り業務で兵庫県まで引き取りに行ってまいりました。

大きな蔵の中にあった火鉢です。

灰と五徳がついています。もともと付いていた五徳です。

追記:現在、火鉢ギャラリーを造るために以前の火鉢を見返しておりますがこの香木の火鉢は絶品でした。銘品中の銘品。やはり手元に置いて置きたかったです。3万円台でお売りさせていただきましたがもちろん、10万円でも問題ない手炙り火鉢でした。

お客様が香木にお詳しいようでして、間違いなく香木であるとおっしゃっていました。

お客様からいただいたお写真がこちらです。

全面、香木で作られた銘品の火鉢

非常に珍しいポイント

1.杢目・木材・取っ手

メインの木材はよくわかりませんでした。下の部分と、上部の縁が黒柿です。黒柿にも様々な種類ありますがTopクラスの孔雀杢につぐ虎紋様の杢目で黒柿だけでも実に素晴らしいです。メインの木材がよくわかりません。杢目をみると二股に別れた部分であったり鳳凰の羽のように見えるる杢目であったりと比類なきコダワリです。

明治18年といえばまだまだ江戸の職人が生きていた時代。さすがに明治初期の作りです。

また取っ手だけ桐のようです。そして明らかにダルマの形。実はこの火鉢が眠っていた蔵には沢山の貴重な品が貯蔵されていました。そして演技の良いものが非常に多かったのです。そうした背景がわかるだけにこれは特注の火鉢で取っ手はダルマだと確信しております。

2.香木!? 樹液が固まっています。

これは私の勘違いかもしれないのですが。杢目のもっとも密集したところに樹液が固まっています。取ろうとしたのですがこれは辞めたほうが良いと判断してそのままです。この樹液を削ってみると香木の香りがするのです。私はいただきものの香木を所有していますがまさにその香木と同じ。もしかして香木を火鉢にした?もしそうならとんでもない価値です。

とはいえ、この樹液の漏れ出たようなのが気になる方はこの火鉢避けたほうが良いです。見栄えの問題です。

でももし。もし香木の一種でつくられた火鉢だとしたその価値は計り知れません。そして、その可能性がありそうで怖いのです。

なぜなら

実はこちらのお客さま。最初は鉄瓶2つの修理を承りました。

龍文堂の鉄瓶

この鉄瓶がどちらも銀細工が施された見事すぎる龍文堂の鉄瓶でした。似たものが古美術の業者間取引で1つ20万円で買われていましたので売値は30〜40といったところでしょうか。2つの修理の鉄瓶があまりにすごかったので色々お電話でお話していました。その流れで蔵にあるものを引き取らせていただきまして、その中に混じっていたのがこの火鉢なのです。1つしかありませんでした。

その引き取った大量の荷物がまたすごかったのです。集まっていた古美術商たちが本気で驚いていましたから。

化ける可能性のある火鉢はこの仕事18年で初めてです。

ただ私の勘違いかもしれません。私は木の専門家ではありませんので、是非とも木の専門家からお知恵を拝借したいところです。

3.炉とホゾ組

炉も初めて見るもの。全体が銅で作られていますがオトシと呼ばれる灰を入れる部分は薄い鉄のようでもあります。こんな炉は初めて。そしてホゾ組という角の組み方は火鉢の中ではもっとも複雑な蟻組みのホゾが切られています。明治の中期までの手あぶり火鉢では多々見ます。でもそれ以後の近代の手あぶり火鉢ではこの蟻組み、三角が目立つホゾ組のことですが、使われているものはありません。そのへんでも時代がわかります。

なおこちらの火鉢。所有者の方は兵庫県ではありますが日本海沿いで京都は丹波の隣。秀吉の副長みたいな人が城を建てたことでつくられた街。ご先祖様はその当時からお住まいだったそうです。納屋には江戸時代のものとおもわれる農具までありました。

残念ポイント

1.香木から凝固したと思われる樹液のようなもの。

画像をご覧いただければOKかNGかすぐにおわかりいただけると思います。

見栄えの問題です。視覚的に気になるかどうかのもんだいです。この樹液はあきらかに香るので個人的にはむしろ長所なのですがそこは個人の判断によります。

2.炉の穴

さすがにこれは仕方有りませんでした。鉄の炉がものすごい技で薄く作られています。また明治初期につくられた火鉢がそのまま眠っていたわけですのでやむ無しです。

こうした穴はアルミのテープを貼って使います。よくあることなので。

もちろんアルミテープを貼ってお送りいたします。

以上のみです。貴重すぎる手あぶり火鉢なことは間違いございません。

画像を目一杯 70枚ほどご覧いただけるようにいたしました。

火鉢のサイズ

29cm x 29cm

高さ25cm

灰は2.5kgくらいでしょうか。

ご入用であれば別途2kgをご注文ください。05kgはこちらでおまけいたします。

香木の火鉢の総評

残念ポイントなどあるはずもない!と、今になって思います。本当に素晴らしい火鉢でした。爪でカリカリけずって匂いを嗅ぐとまさしく香木の香り。

おそらく火鉢に炭を入れると炭の熱でほのかに香ることでしょう。

なぜなら香木の表面に樹液がういていたからです。

いやあ買い戻したい火鉢第一号です!

画像はどれも拡大されますので、樹液の様子などもご覧いただけます。白檀でも炊きながら眺めてくださいませ。