火鉢ギャラリー第338弾|銀象嵌〜由緒正しき塗の火鉢 買い取りの品

昭和前期 漆塗りの火鉢(茶道具)の画像

兵庫県の蔵へ買取りへ。その初出し(うぶだし)の火鉢

 

明治18年 銀の螺鈿(らでん)の火鉢 

昭和前期 漆塗りの火鉢(茶道具)の画像

直接、兵庫県の旧家の蔵からもってまいりました。

中江平右衛門 明治十八年出造

灰付き

火箸は美也古(みやこ)火箸が付いていました。

火箸は銅で空洞のもの。鋳金の見事なもの。

2つ1対で桐箱に入っていました。

どちらも全く同じで綺麗なので、在庫2となっています。

 

凄いポイント

凄いポイント1 銀の螺鈿

銀の螺鈿(らでん)が入っています。恐らく本当の銀です。第一弾の火鉢にも記載いたしましたがこちらの持ち主でらっしゃったお客さま。修理させていただいた鉄瓶は2つとも銀の螺鈿が入っていました。

凄いポイント2 内側に麻

漆塗りの火鉢には外側に麻を貼って上から漆塗りするものがあります。恐らく名称があるのでしょうが存じ上げません。高級な火鉢といったらよいのでしょうか、そうした火鉢にまれに見る作り方です。その麻をなんと内側に貼ってあります。この見えないところに手を尽くすあたり。江戸〜明治初期の職人の余裕ともうしますか無駄にがんばってしまうと申しますか。儲け度外視で技を出し切るこの時代の作りそのものです。

凄いポイント3 上げ底と厚み

昭和前期 漆塗りの火鉢(茶道具)の画像

床付きがかなりの上げ底。

上げ底とは言わないと思いますが表現を存じ上げませんので失礼いたします。その上げ底の度合がもの凄いのです。この上げ底度合いは日常のただの道具にはありえないものです。明治18年につくられたそうですので江戸時代の職人が作ったものとでしょう。地元の名士とよばれる家でないと中々この造りはありえません。

そして厚み。この厚みは漆塗りですので木材が厚いわけではありません。このように組み立ててあるのです。漆塗りの丸い火鉢は今でもよく目にします。でもこの厚みのものは稀です。稀ですがそんなに珍しい!といった感じでも有りません。

ただこの上げ底と厚みが両方存在する火鉢はもちろん初めてです。そこに銀の螺鈿ですから如何にこの火鉢が稀有なものか、そして18年間火鉢を見てきた私がどれだけ驚いているか。ワクワクがとまらない火鉢は年に1つあるかないかです。今回はお客さまのご先祖様の蔵のおかげでワクワクの連続になりました。

仏間がありましたのでお線香も挙げさせていただき稚拙ながら般若心経も読ませていただきました。

この見事な銀の螺鈿の火鉢は2つ1対でした。

本当は4つあったのですが、わけあって2つは手元にございません。もし今後どこかで見ることがあればこの火鉢の姉妹・兄弟です。些細は省きますが今でもあと2つを手にできなかったのは残念です。ですがここに2つございます。これで良しとしたいと思います。

実はこんなに見事だと知らなかったのでした。

今回元旦火鉢のために桐箱のフタをあけて初めて目にしてびっくらこいた次第でございます。

元旦火鉢ということで思い切ってお安くお披露目させていただきます。

 

その他 お得ポイント

もともと入っていた灰をふるいました。

灰は古ければ古いほどよい的なところがありまして、ちゃんとふるいで綺麗にしましたのでお使いいただけます。

また、それぞれの火鉢と一緒にしまわれいてた火箸もお付けします。これがまた見事は火箸で銅を叩いてつくったもので中が空洞です。いわる鋳金の火箸です。単体で5,000円〜1万円ほどでしょうか。

こちらもお付けします。

 

マイナスポイント

ございません。

サイズ

直径 26cm

内径 20cm

深さ13cm

灰は10cmまで 灰はお付けします。

高さ22cm

銀の象嵌のはいった塗りの手あぶり火鉢の画像。京火鉢
銀の象嵌のはいった塗りの手あぶり火鉢の画像。京火鉢