火鉢ギャラリー第340弾|黒檀と銀の炉縁|骨董火鉢

黒檀と銀の炉縁の火鉢の画像

黒檀の銀炉縁火鉢 – 侘びと遊びの共存

冷凍寂枯(れいとうじゃっこ)の木材といえば黒檀

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冷え、凍り、侘びて枯れる美

黒い楽茶碗にその美を見つけたのは千利休とされていますが冷凍寂枯を唱えたのは侘びの祖の村田珠光によるものだそうです。

黒楽茶碗に見出す美はときに黒の中にみられる白っぽさや赤みなども含めますが自然の黒である黒檀にはその黒楽に通じる黒さがあります。

それゆえに当時から珍重されていた木材だったのでしょう。

 

黒檀とは –

貴重な外国産の木材黒檀は、日本国内には自生しない高級木材で、主にインドやスリランカで分布しています。江戸時代にポルトガルをはじめとする南蛮貿易によって日本に持ち込まれました。

ポルトガル船を始めとする貿易船は日本の近くまで空荷で来ていたようです。そして東南アジアの港へ寄港して日本にはない珍しい貴重な物資を積んで幕府のある日本へ向かいました。その中でも珍重されたものに木材があります。

ヨーロッパ諸国では、植民地からの物産を国王に献上する文化があり、黒檀もそのひとつでした。

その後、日本は資源国家としてものづくり国家としても発展し、貴重な木材である黒檀や紫檀が大量に輸入されました。

なお帰りの船にはあちらの王族に献上する焼き物などの美術品を載せて帰りました。伊万里焼もその一つです。

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黒檀の銀炉縁火鉢 -織部好み?

珍しい造りと美しいデザイン黒檀の火鉢は、その希少性からかなり珍しいものです。今回ご紹介する火鉢は京都の旧家から出てきたとされる逸品です。

黒檀と銀の炉縁の火鉢の画像

まさに上方で造られたとしか思えないその造りは流石の納得がいくほど美しいものです。

特に目を引くのは銀の炉縁で、これまでに見たことがないほど珍しいデザインです。

炉縁は鉄に銀メッキが施されており、明らかに高級感のある仕上がりとなっていますし番頭も初めて目にしました。

重厚感と耐熱性を兼ね備えた火鉢この黒檀の火鉢は中々の重さで3kg以上あります。

また、灰を入れる炉は銅製で底部分は土壁のようなつくりになっています。

この構造により、耐熱性が高められており安心して使うことができます。

そして、せっかくの冷凍寂枯の黒檀に初めて見る銀の炉縁

この遊びは織部好みといっても差し支えないのではないでしょうか。

黒檀の特性 –

さらに黒檀は乾燥による反りやヒビが入りにくい特性を持っており長期間使用しても美しさを保ち続けることができます。そしてノーメンテナンスです。特にアンティークワックスを塗るなどは不要です。

総合的に見て –

黒檀の銀炉縁火鉢は高級木材である黒檀と美しい銀炉縁デザインが融合した珍しい逸品です。重厚感と耐熱性を兼ね備えたこの火鉢は機能性と美しさを両立させています。

インドやスリランカから日本へ伝わった貴重な木材・黒檀を用いた銀炉縁火鉢は、その歴史的背景と独特なデザインが魅力です。

黒檀の火鉢もこの5年で年に2〜3しか手に入らなくなりましたが銀の炉縁はこれが最初で最後です。

見事で珍しい黒檀と銀の火鉢を手元にオカれてその上質な魅力を体感してみてください。

本体のみと、くぬぎ灰のみおつけしたもの2種類ご用意しました。

 

火箸、灰ならしは手元にアンティークがかなりございますのでご希望の方はおっしゃってください。良いものをお選びいたします。

五徳は虫喰五徳 五寸が奇跡的に1つだけ在庫ございます。

黒檀と銀の炉縁の火鉢の画像

反りと書いていますが黒檀が歪んでいたり、反っているなどは一切無いです。この細い筋が入っているのみです。

また4角も隙間一切ございません。

炉は固定されていて取り出せません。横に動かすと中で粒の転がる音がしますが特に漏れてくるでもなく、どこかに穴が空いているでもなく。さすがに100年近い年月が経っていますのとその間に素焼きの底を取り付けてあるのでその過程でのことだと思います。

黒檀と銀の炉縁の火鉢の画像
黒檀と銀の炉縁の火鉢
黒檀と銀の炉縁の火鉢の画像