鉄瓶と昭和の思い込み(書き直し)

鉄瓶

こんにちは。

番頭のミウラです。

昨日、郵便局へ行きました。

修理の鉄瓶の発送です。

 

荷物が少ない時は直接持ち込みます。

値引きもあるし!

さてそこでのお話。

 

 

鉄瓶ってなに?

送り状の伝票に「てつびん」と書きました。

鉄瓶 だと漢字でわからない人もいるからです。

めったにないですが。

 

窓口で対応してくれたのは30才前後のお兄さん。

背の高い、賢そうな感じの青年です。

するとその賢そうな青年が訪ねてきました。

「てつびんってなんですか?」

 

聞けば、本当に聞いたこともないし知らないとのこと。

お湯をいれるヤカンみたいなもの。

ということも知らない。

 

 

さすがに私も驚きました。

 

鉄瓶という言葉は、家族の誰かが言っていそうだし、

鉄瓶ではないけれど、鉄の急須でお茶を出してくるカフェも増えてきました。

鉄瓶くらい知っててアタリマエ。

それも30歳になろうものなら当然だよね。

そういう気持ちがありました。

とにかくある程度の大人が、鉄瓶を知らないことに驚いたのです。

 

昭和の思い込み

 

でもまてよ?

この10年での変化は、目を見張るどころじゃない。

よもや日本人の常識すら、無いのでは?

常識という概念すら、もう日本人というくくりでは成り立たなくなるのかもしれない。

そんなことを、この「鉄瓶をしらない青年」が教えてくれました。

 

鉄瓶をしらないの?

という意識はほんの10秒位で消えました。

 

むしろ危機感というのでしょうか。

昭和の思い込み

日本人なら知っていて当然という思い込み

そうしたものを持つ限り、消えていってしまいそうなものが、世の中にはたくさんあるのかも!

そんなことすら感じました。

 

私は最初に鉄瓶を知らないと聞いて、

驚き、

次に

「もうこういう時代になったんだ」

「自分もっと変わらないと!」

と、ワクワクしていました。

 

でもお兄さんには伝わらなかったっぽいです。

「鉄瓶知らない人がいるよー」って

驚いているおじさんに見えたかも。

 

見えたのはどうでもいいのですが、

決してお兄さんを皮肉ったつもりも

無知だと思ったこともなくて、

自分にもまだ全然あった昭和の感覚に驚いていただけだったのです。

 

文化で貢献するにはなにができるか

そこで思い出すのが

「老舗こそ変化してきた」という言葉。

つねづねソレは意識しているんだけど、

やはりどこかに、思い込みがあったということですね。

それからこういう思い込みもありました。

「良いものを伝えるには、良さを説明すること」

 

日本の文化を世界に伝える

ということで活動している人は大勢います。

恐らく殆どが、「いかにこれは素晴らしいか」を伝えているわけですが、旗から見ていても大成功しているようには思えませんでした。

でもその理由もわかりません。

そんな時に、答えをくれたのが、当店のお客様でした。

 

 

先日ブログで

「マニュアル車と火鉢」

で書かせていただきました。

 

そのものの良さを説明して伝えると、

確かに伝わるんだけど、

欲しいかどうかは別の話。

欲しくないとなってしまう。

ことでした。

 

そのものの良さを伝えるのではなく、

それでどんな貢献ができるか考えるべき。

といものです。

 

さしずめ鉄瓶でいうならば、

この鉄瓶で、今の時代を生きるお兄さんの生活を、どのように豊かにできるのか。

 

を考えることじゃないかと思います。

 

そんな課題(もしくは難題)を、郵便局の窓口のお兄さんは教えてくれたのでした。

 

有難うお兄さん。

 

おわり

 

今回は何度も書き直しました。

お読み下さりありがとうございました。