骨董の火鉢345弾|玉杢・総ケヤキの煙草盆〜手焙り火鉢

玉杢のけやきの煙草盆

ケヤキ一枚板と黒柿のたばこ盆

サイズ 36cm x 21cm  高さ23cm

無傷・如鱗杢の1cmあるケヤキの1枚板 黒柿
(本体無傷ですが竹の灰落しの上の薄いケヤキのフタ 一部欠けています。ページ下の方でも画像でご確認いただけます。マイナスポイントにはならない箇所。)

一枚板のケヤキの魅力

最大の特徴は3種類の杢目入る珍重ケヤキであること。

玉杢、如鱗杢、浮き玉杢の3種類。

ここは捉え方になりますので玉杢と如鱗杢だけともいえますが、ある一面の玉杢はまるで浮いていく沫のような形状。これは通常の玉杢とは明らかに異なります。ケヤキでは殆んど見ない浮き玉杢です。

ケヤキとは

日本の木で耐熱温度は433度あたり。そのため火鉢ではもっとも使用されている木の種類です。特に良質のケヤキは杢目が美しく、樹齢は300年、400年以上。恐ろしく古いケヤキではコブもあり、そのコブを自然の力、神の仕業ととらえ古くは床の間にかざったりしてその家の守り神のような扱われ方もしていました。

杢目の説明

玉杢

丸い玉のような模様の部分。私の師匠曰く、「むかしは玉杢の玊1つ1万円の価値として火鉢にもし玉杢が10あれば10万円とされていたんだぞ。」なんてことをいっていました。 なんでもケヤキがまだ小さい頃に剪定(せんてい)で枝を切られたときの跡とも聞いています。こちらが玉杢です。

如鱗杢

杢目が3Dのように浮き上がって立体的に見えるのが特徴。つい最近も如鱗杢の火鉢が登場していましたが玉杢の10倍は珍しい杢目。こちらが前回の如鱗杢をもった火鉢です。

火鉢ギャラリー第344弾〜如鱗杢の火鉢

そしてこちらが過去最高の如鱗杢。
長火鉢のねこ板です。

長火鉢の猫板の如鱗杢

浮き玉杢

ケヤキに浮き玉杢を見る機会は殆どないと思います。過去に2〜3回あったかどうかです。まるで浮いていく沫のような杢目が浮き玉杢です。泡杢という沫の杢目もありますが(ケヤキ以外)もっとずっと小さい丸い沫のようなもの。浮き玉杢はは玉杢がまるで浮き出る水疱のよう。決して人魂ではありません! こちらの面だけにみえます。こんな杢目あるんですね。

黒柿部分

上部の縁と、炉縁、そして取っ手の内側の止め板まで黒柿です。黒柿だけのファンも多くいるように黒柿は柿の木1000本に1本の割合(つまり0.1%ということですね!)でしか見つからない、しかも切ってみないとわからないという偶然性を持ち合わせた、柿の木の中に墨が落ちているもの。こちらも耐熱温度は400度以上。ケヤキと黒柿の組み合わせは江戸後期〜大正までの火鉢の定番の組み合わせです。

たばこ盆、火鉢じたいの状態

四隅に隙間もなく目立った傷もなく、非常にきれいな状態です。もちろん70年〜100年前のものですので炉縁に火箸でもあたったのでしょう。小さな漆の剥げた箇所はありますがヒビや削れている傷はございません。蔵にしまわれていた火鉢に見られる特徴です。

竹筒の上のフタ。ケヤキをうす〜く削ってつくったもの。薄すぎて一部欠けています。目立つマイナスポイントはここだけ。ページ下の写真でご確認ください。一瞬こういう形状なのかな?とおもったくらいですが恐らく欠けた部分でしょう。気になりません。

たばこ盆の役割

茶道のお茶席が催される茶室。その茶室へ伺う前に「待合」とよばれる待合部屋があります。その待合に作法としておかれているのがたばこ盆です。もちろん炭がはいっていますので冬はちょっとした手焙りの役目もあります。竹の筒には水を入れておき、キセルの灰をポンポンと入れて火を消します。

長火鉢でも殆んど目にしない杢目

このように長火鉢でもなかなか目にしない杢目の集合体。

ご購入された後にもしご不要になりましたら是非ご一報ください。買取りさせていただきます。これ程の火鉢との出会いはそう滅多にございませんのでよろしくお願いいたします。

ケヤキの厚みは1cm以上

取っ手のところを見ると厚みがわかります。11mmくらいありそうですが正確には測っていません。長火鉢の厚みです。

サイズ 36cm x 21cm  高さ23cm

 

 

浮き玉杢のある面

如鱗杢、浮き玉杢のケヤキ たばこ盆の写真

ここが浮き玉杢と言える面です。玉杢の玊がまるで上に吸い上げられていくかのような形状。じーーっとみているとタテの波々が立体的に見えてきます。如鱗杢の最大の特徴です。見応えあり!

フタの一部が欠けています。薄くしたケヤキフタ。

如鱗杢のたばこ盆 フタ

フタもケヤキで薄く削ってあります。このフタだけでも見事な作りですが見事な薄さゆえか一箇所欠けています。特に見栄えにも問題ありません。

反対側の面。板目のクヌギ炉縁も見事。

如鱗杢のケヤキをつかったたばこ盆。

黒柿の縁も見事ですが、炉縁もなかなか見事です。板目という切り方なので筋の杢目がアクセントになっています。取っ手の部分も見えますがこれで如何にこのケヤキが分厚いかわかります。

厚みわかる取っ手。如鱗杢も見える。

釘は黒柿の釘でしょうか。黒檀にもみえますが。杢目は如鱗杢っぽい部分もあり玉杢も見えます。そしてこの年輪の狭さがケヤキの下部の特徴が見て取れます。人繋がりの木材を4面で使っています。

反対側のケヤキ

左右面は同じ部位を使用しているようです。この取っ手のところの厚みがすごいです。また雲になっています。雲というのは取っ手の形状で主に長火鉢の取っ手です。雲のようにもくもくしているから雲というようです。億の板は黒柿です。

灰落しのあるフタ板

このフタの杢目も見事すぎます。このたばこ盆は恐らく茶道具として造られたものです。一般的な手焙り火鉢目的のたばこ盆はここまでの杢目は使いません。茶道具としてのたばこ盆は間違いのないところだろうと思います。

この他の画像はページ一番上のスライドショーでご確認ください。有難うございます。

取っ手 ’くも’の底板は黒柿です。またケヤキ一枚板でわかるあることがわかります。表面の杢目が裏面にも現れています。木材が張り合わせの合板ではないかは内側で確認できます。