火鉢ギャラリー第342弾 ぽってり煙草盆|骨董火鉢

引き出しのついた桐の煙草盆 黒柿の炉縁
引き出しのついた桐の煙草盆
引き出しのついた桐の煙草盆 黒柿の炉縁
引き出しのついた桐の煙草盆の画像

煙草盆とは?

煙草盆はお茶室とは別に用意された待合室に置かれている火鉢のこと。

大きく二種類ありまして、火入れと竹筒が入れられたものと、火鉢形式のものがあります。

煙草盆 桐と黒檀

時代

大正〜昭和の戦前

おそらく昭和に入ってから造られたものと思いますがもしかすると大正時代のことも。

材質

桐材と黒檀

縁などの黒い部分は黒檀の木。本体部分は桐の木になります。

桐の木は耐熱温度432度という火鉢にぴったりの木材。また茶道のなかでも煎茶道具は桐材が主材。その流れで桐を使っていることと思われます。

煙草盆とは?

煙草盆の発祥は最初はお公家さんが使っていたもの。

千利休の頃は茶席には煙草盆は出てこないと言われていますが、茶席と隣接した待合所には置かれていたようです。茶席に呼ばれ、茶室に入る前に待合でキセルに火を入れてなどといった使い方です。

江戸の中〜後期には今回の第342弾の煙草盆のスタイルが出来てきますがこちらは武家屋敷や大きな町人の家、寄り合い所などに置かれはじめます。

茶道の煙草盆とは違う出で立ち

茶道で用いられる煙草盆は茶席と別室に設けられた待合室に置かれ、さらに茶室でも使われたりします。

こちらの画像のスタイルが一般的に茶道で言う煙草盆です。

煙草盆

この煙草盆はどこで用いられたか

江戸時代になると武家の家から町人の家まで置かれていましたが高価なものでしたので一般庶民の家にはほぼ無かったと思われます。

火鉢はどこの家にも必ずありましたのでタバコの灰はこの火鉢へ入れていました。

またこのタイプの煙草盆はタバコに火をいれるだけではなく手元も温められましたので番台や客人のくる席などに置かれていました。

第342弾 桐と黒檀の煙草盆のサイズ

幅 38cm|奥行き 26cm|高さ25cm

灰の量 2kg |なら灰 2,200円 |くぬぎ灰 4,200円

使い方

普通に手あぶり火鉢としてお使いください。

万が一キセルをお持ちの方は竹筒に水を少し入れてキセルの中の灰を落としてください。

煙草盆としては大きめなので五徳が入りますから小さな鉄瓶でお湯を沸かすことも出来ます。

くぬぎ炭3本くらいは入りますから充分火鉢としてお使いいただけます。

桐ゆえに多少の凸凹ありです

流石に桐ゆえ凸凹はございます。

その桐がなぜ煎茶道に好まれかは、この桐の柔らかさゆえです。

漆塗りにしない理由もそこにあります。

虫喰五徳しかり、そこが侘びの良さにございます。

引き出しのついた桐の煙草盆 黒柿の炉縁

銅板の炉は緑青(ろくしょう)はありますが綺麗です。穴も空いていませんので一切問題ございません。灰は2kgちょっと。2kgあれば大丈夫です。

引き出しのついた桐の煙草盆 黒柿の炉縁

引き出しは綺麗な上に歪み無く収まっています。指物の引き出しに見られる「片方を閉めると空気に押されて片方が飛び出て」まいります。

引き出しのついた桐の煙草盆

灰吹の竹を取り出すことは無いと思いますが中も綺麗です。もしキセルをお持ちで喫煙される場合は竹の中にお水を少し入れて灰を落としてください。いわゆるキセルに入れるタバコは一般的なものと違ってとても良い香り可と思います。その香りで茶席の空気を浄化するという意味もあったようです。

引き出しのついた桐の煙草盆

竹の灰吹が右に傾いていますがたまたまです。撮影時に気が付きませんでした。引き出しのある方が主人の側なので裏といったりします。